
繊維・ファッションビジネスにとってなくてはならない存在が商社。洋服やファッショングッズなどの商品を企画・生産し、店頭に並べられて、消費者の元に届く、その全ての過程に商社は関わっています。
商社の役割は、会社と会社、国と国の間に立ち、モノを動かすため、仕事内容は多岐に渡ります。一般にイメージする海外ブランドの輸入・販売はもちろんのこと、製品を作るための素材調達、商品の企画、工場との調整 役などを担い、アパレルメーカー、小売店から頼りにされる存在です。
そんな商社の中から今回は、「マッキントッシュ」「モンクレール」などのブランドを日本に根付かせた八木通商と、商社の中でも異彩を放つホープインターナショナルを特集します。
Editor’s Column
AI やIoT など、テクノロジーの革新により、アパレルメーカーやSPAの生産・販売現場では様々な変化が起きています。商社もその流れに遅れを取らないよう、顧客に革新的なサービスを提供することを目指しており、2018年を「ビジネスモデルを変化、進化させる年」と位置付けています。
取材を通じて出会う商社の方々は、新しいことへの挑戦に目を輝かせている人、誰とでも気持ちを通わせ合うことのできる人が多いです。体力と語学力を兼ね備えている方も目立ちます。ぜひ商社の世界に飛び込んできてください。やりがいのある仕事が待っています。
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八木通商
-世界のファッショングループを目指す商社
年商313億円と繊維専門商社の中でも規模は小さいが、収益力が高く、惚れ込んだブランドにしか触手を動かさないのが八木通商だ。八木雄三社長が語る言葉で印象的なのは、「ザ・プロダクト・トーク・イッツセルフ」。商品を見ると、その商品が語りかけてくるということを意味する。これを発見し、グローバルマーケティング&マーチャンダイジングによって価値を高める。ダイヤモンドの原石に磨きをかけるように、取引し、サポートし、信頼関係を築く。このスタンスが八木通商の原点だ。ビジネスモデルが進化しても変わることはないだろう。
「マッキントッシュ」青山店。昨年はニューヨークに旗艦店を出店した
同社がダウンジャケットやスニーカーに注目し始めた頃、多くの企業は「ラグジュアリーじゃない」と見向きもしなかった。しかし、それらのアイテムの成功を信じて扱い続けたことが「モンクレール」の成功に結びつく。個性が輝くプレミアムグッズのブランドも成長を続けている。「何事もすぐには成就しない。ライフスタイルの変化を先取りし、チャレンジし続けることだ」とロジックと熱意の重要性を語り、「時代を先読みする力」を求めている。
モノが売れない時代。世界でも本物のブランドだけが生き残る。独創的なブランドを集積した世界のファッショングループとなることをめざしている。
ハリウッドセレブに人気のヘアアクセサリーブランド「アレクサンドル・ドゥ・パリ」
-社員インタビュー
人事が語る八木通商の魅力「意欲があれば、可能性を広げられる!」
東京総務経理部
(左から)マネージャー 山本由佳さん / 伊藤妙さん
伊藤 メリハリのある働き方をしているのが当社の特徴です。仕事に真摯に取り組みながらも、息抜きするときはリラックスして談笑したり。オンオフがちゃんと使い分けられている感じですね。
山本 部活動も盛んで、部署を越えたつながりも強い。上下関係なくフラットに意見が出し合えます。
伊藤 何より、それぞれの個性を尊重し、挑戦する意欲に応える社風が特徴です。自ら道を切り開く行動力とロジカルな思考力があれば、年齢に関係なく活躍できます。
山本 キャリアや可能性の幅を広げられる土壌があるので、「主体性も持って新しいことに挑戦したい」という方に出会えることを楽しみにしています!
-八木通商MEMO
★あの海外ブランドを根付かせた
「マッキントッシュ」「モンクレール」といった、個性溢れる海外ブランドを日本に根付かせた実績を持つ。M&Aでブランドホルダーとなり、経営権を保有してブランドビジネスの安定的な発展を目指している。
★プレミアムグッズに強みあり
アクセサリーブランド「アレクサンドル・ドゥ・パリ」や、レザーグッズ「J & Mデビッドソン」など、コアなファッショニスタが支持するプレミアムグッズを扱っている。
★“WEST MEETS EAST”に挑む
欧米のファッションブランドを中国、台湾、韓国などアジアのファッション市場で販売することに力を入れている。また、上海、香港、台湾の現地法人と欧米のオフィスを結びつけ新しいビジネスを生み出している。
【会社名】株式会社八木通商株式会社
【事業内容】ファッション衣料や素材(糸・生地)の輸出入/ブランドビジネス〔モンクレール/マッキントッシュ/バブアー/J&Mデヴィッドソン/アレクサンドル・ドゥ・パリ/スリードッツ〕
【URL】http://www.yagitsu.co.jp/
八木通商についてのもっと詳しい情報はこちら!>>株式会社八木通商株式会社
ホープインターナショナルワークス
-縫製研究所をもつ異色の商社
商社の中で異彩を放つのはホープインターナショナルワークスだ。アパレルからの受注に応じ、ニーズに合った素材・工場の選定、発注後の納期・生産管理の他、欧州からの生地や雑貨の輸入も手がける。
大阪・北堀江の本社内には、縫製技術の研究所「ソーイング ラボR」を併設。
各種ミシンのほか、最新式の島精機製作所の無縫製横編機「ホールガーメント」も昨年導入した。商社機能だけでなく、布帛とニットの技術力の高さで急成長を成し遂げてきた。「変化に機敏に対応し方法を考えていけば、まだまだファッション産業での成長の余地がある」と髙村社長。商社として新しいアイデアや取り組みでこれからが期待の企業だ。
オシャレなオフィス内には縫製技術の研究所「ソーイングラボR」を併設する
-ホープインターナショナルMEMO
★“次世代型お直しショップ”
銀座と堀江にある「サロン・ド・リデザイン・クローゼット・ドット・ネット」では、従来のお直しショップとは異なり、リ・デザインや大胆なお直しが可能。店内ではデジタルサイネージを活用し、洗練された職人にリメイクしてもらえる。
★リフレッシュ休暇で海外旅行も!
年1回、5営業日連続で取得できるリフレッシュ休暇制度は、海外旅行で見聞を広めてほしいとの思いから。他にも独自の休日があり、年間休日135日+有給と、働き方も商社とはかけ離れた企業だ。
【会社名】ホープインターナショナルワークス株式会社
【事業内容】OEM,ODM生産管理。紳士/婦人既製服及び衣料品雑貨の輸出入。テキスタイルエージェント業務。リメイク&カフェ運営。
ホープインターナショナルワークスについてのもっと詳しい情報はこちら!>>ホープインターナショナルワークス株式会社