【アパレル業界研究】商社の役割・仕事内容を分かりやすく解説!

  • 2017年09月21日更新
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皆さんは「商社」と聞いて何を思い浮かべますか?堅そう?厳しそう?そんなイメージでしょうか?

普段の生活の中で「商社」を身近に感じることはないかもしれませんが、実はわたしたちのあらゆるライフシーンにおいて、とても重要な役割を担っています。今あなたが口にしている食料品や着ている洋服などにも、商社が関わっているかもしれません。

今回は、アパレル業界においてもなくてはならない「商社」についてお話していきます。

 

もくじ

  1. 商社とは?
  2. アパレル業界でいう商社とは?
  3. アパレル業界を目指すならマスターしておきたい5大総合商社
  4. 商社で働くとは
  5. 商社マンに向いているのはこんな人!5大「 ○ ○ 力 」
  6. アパレル業界の商社の今後
  7. まとめ

 

1.商社とは?

まず「商社」とは一体何なのでしょうか?

商社とは「会社と会社、国と国の間に立ち、モノを動かす会社」です。モノを動かす=商取引をすることを“トレード”と言い、トレードの際に発生するマージン(手数料)を主な収入としています。

トレードが増えれば増えるほど、商社にとっての利益になるので、彼らは様々なモノや人をつなぎ合わせ、新たなトレードを生み出しています。会社と会社を繋ぐ「仲介業」、海外の企業とも取引を行うので「貿易業」とも言えます。

このトレードと並んで商社の大きな柱になっているのが「事業投資」です。

事業投資とは、利益や事業の拡大に向け、新たに会社を設立したり、既存の会社を買収したり、資本を投入して育てるなどして、企業価値を向上させる目的があります。

例えば、アパレル製品等の企画・販売を行う「ジョイックスコーポレーション」は、商社の繊維部門で売上高ナンバー1の「伊藤忠商事」の100%の子会社です。また、米「ポール・スチュアート」は「三井物産」の100%子会社です。子会社が販売するブランドに用いる生地や製品を親会社から仕入れるという形を取ることで、親会社としては、トレードが発生する上、子会社の業績が伸びることで投資収益を得ることが出来ます。

一方、子会社側も、親会社から優秀な人材を迎えることができ、また、銀行などからお金を借りる際に商社のネームバリューが後ろ盾となり、借りやすくなるなどのメリットがあります。

商社は、大きく分けると「総合商社」「専門商社」に分類することができます。

総合商社は「ラーメンからミサイルまで」と言われることもあるように、食品から工業系までありとあらゆる様々な分野やサービスを取り扱う商社のことをいいます。

一方専門商社とは、ある特定の分野に特化した事業運営を行う商社を指します。アパレル業界でいうと、繊維専門商社(業界内では名古屋にある繊維専門商社は、名古屋系商社と呼ばれたりする)やメーカー系商社などがあります。

  • 繊維専門商社:田村駒・ヤギ
  • 名古屋系:タキヒヨー、瀧定名古屋、モリリン、豊島など
  • メーカー系:東レインターナショナル、帝人フロンティアなど

 

2.アパレル業界でいう商社とは?

ではアパレル業界での商社の役割はどういったものなのでしょうか?

かつて、戦前に繊維専門商社としてスタートした主要商社を総称して「関西五綿」と呼んでいました。関西五綿とは、伊藤忠商事、丸紅、トーメン(現:豊田通商)、ニチメン(現:双日)、兼松の5社を指します。この5社は、繊維商社として綿花を輸入し、綿糸や綿布などの繊維製品を輸出しており、それが当時の日本の主要な輸出品となっていました。

しかし、輸出から輸入へと、商社のビジネスが変化します。

1985年のプラザ合意(過度なドル高の是正のために米国が呼びかけ、先進国5カ国(日・米・英・独・仏)と中央銀行総裁が集まり発表したもの。日本では急速に円高が進行し、輸出が減少し、国内景気が低迷した)によって円高となり、また、日本国内よりも人件費の安いアジア圏などでの生産が進んだことで、アパレル業界では輸入が軸となったのです。

加えて、原料やテキスタイルだけでなく、洋服にして卸す「製品OEM(相手先ブランドによる生産)」のビジネスが主流となり、現在に至ります。

また製品OEMとともに、海外ブランドを積極的に導入する「ブランドビジネス」も事業の中心となっています。

元々海外ブランドの製品は、インポート(輸入)でそのまま販売されていましたが、徐々に、ブランドの使用権などの許可を得て製品をつくる、ライセンスビジネスへと変化しました。これにより、海外ブランドの製品であっても、日本人に合うサイズの製品化が可能となったのです。さらに近年では、日本の商社がブランド自体を買収する動きも広がっています。「ポール・スチュアート」「マッキントッシュ」などが代表的な例です。

 

3.アパレル業界を目指すならマスターしておきたい5大総合商社

ここでは就活生なら押えておきたい主要な商社を紹介します。身近に感じることはなくても、実はわたしたちの生活に密接に関わっていることが多いのが商社。主要と言われる商社は各社が繊維事業を手掛けており、アパレル業界内のビジネスでも中核を担っています。アパレル業界を目指す皆さんも是非覚えておきましょう。

◆伊藤忠商事

商社の繊維ビジネスでナンバーワン。現在約150ものブランドを展開し、数多くの子会社を持っています。原料、テキスタイルから製品OEM、ブランドと全てカバーしているのが特徴です。世界63ヶ国に約120の拠点を持つ大手総合商社として、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において幅広いビジネスを展開しています。

2010年に就任した岡藤正広社長は、長年繊維事業を担当してきた方で、数多くの分野がある伊藤忠商事の中で繊維出身者から、社長に就任したというのは珍しいケースでした。

 

◆三菱商事

皆さんが三菱と聞いて思い浮かぶのはエアコンでしょうか?それとも自動車?テレビCMで耳にする三菱地所でしょうか?

アパレル製品からエネルギーまで広範囲な分野を持ち、世界約90カ国に200を超える拠点で約1200社の関連会社と共にビジネスを展開する、最大手の財閥系の総合商社です。

アパレル業界では、グローバルに出店を拡大するSPA向けのOEM事業を多く手掛けています。

 

◆三井物産

こちらも同じく財閥系の総合商社です。アパレル関連のビジネスでは、メンズスーツなどが人気の米老舗高級ブランド「ポール・スチュアート」を買収し子会社にしたり、ECやテレビ通販にも力を入れています。またOEM事業も手掛けており、特に重衣料を中心に高級ゾーンの生産に強い商社です。

世界中のクライアントのニーズに応える「グローバル総合力企業」を目指し、北米から中東、アジアなど世界中の様々な国に拠点を置き、ビジネスを展開しています。

 

◆住友商事

「住商」と呼ばれる住友商事も財閥系の総合商社です。海外108カ所、65カ国に拠点を置き、多種多様な分野での取引や、国内外における事業投資などの総合力を生かした多角的なビジネスを展開しています。

住友商事は以前から小売りを得意としてきた商社で、テレビ通販の「ショップチャンネル」や首都圏で多店舗展開するスーパー「サミット」はグループ会社です。アメリカの人気バックブランド「コーチ」を日本で大きく成長させたのも住友商事です。

 

◆丸紅

食料、繊維、資材、紙パルプ、化学品、エネルギー、金属、機械、金融、物流、情報関連、開発建設その他の広範な分野を68カ国、131カ所の地域で事業を展開している総合商社です。

祖業が繊維で、今も原料から製品OEMに到るまで幅広く展開しています。大手SPA企業にも製品を供給しており、出資先としては「ラコステ ジャパン」などがあります。

 

この5つの商社は「5大総合商社」と呼ばれる主要な商社です。特徴を掴み、是非覚えておきましょう。

 

4.商社で働くとは

総合商社は、幅広い分野を持っており、入社後どの部門に配属されるかわかりません。アパレル業界で絶対働きたい!という人よりは、幅広い分野で世界的なビジネスに携わりたい人に向いているといえます。

一方で繊維専門商社は、その商社が扱っている「ブランドが好き」や「テキスタイルの貿易に関わりたい」など、アパレル専門分野に興味がある人にはおすすめと言えます。

商社では幅広い業務があるので、その一部をご紹介します。

■受け渡し

新卒として採用されて1~2年ほどは「受け渡し」と呼ばれる事務的な業務からスタートするのが一般的です。取引先に対して代金回収や配送手配などの業務を行うことで、物の流れをコーディネート出来るスキルを身につけさせる目的もあります。この経験を経て、ようやく一人前の営業マンとして担当を任されることになります。

 

■語学研修・海外駐在

「語学研修」が一般的なのも商社の特徴です。中には語学研修を必須とする商社もあります。商社マンにとって海外駐在も珍しくありません。

 

■グループ会社での勤務

グループ会社での勤務が多いのも商社の特徴のひとつです。最近では、30歳過ぎあたりの比較的若い年齢で子会社の幹部になるケースも多いですね。

 

5.商社マンに向いているのはこんな人!5大「 ○ ○ 力 」

商社で働くには、どのような人が向いているのでしょうか?

(1)知識力

向上心があり、色んなことに興味を持つことが出来る探究心がある人がとても向いています。上昇志向があり、習得した幅広い知識を持ってがつがつ働きたい、世界に向けてダイナミックなビジネスを行いたいと思う人に向いているといえます。

(2)体力

世界を飛び回る商社マンにとって「体力」は不可欠です。国内だけでなく海外との取引を考えると、それだけハードな業務が多いと言えます。そんなハードな環境で従事するにはやはり体力は必要。商社マンに、体育会系の人が多いのも偶然ではありません。

(3)精神力

強いメンタルも問われます。ハードな交渉・商談が日常茶飯事。人と人、会社と会社をつなぐという役割が強いため、ハートが強く、物怖じせずに挑戦する精神力が必要です。

(4)語学力

英語や中国語などの「語学力」は必須です。海外では通訳としての役割を求められることも。近年では開発途上国を訪れることも多く、ますますグローバル化が進んでいます。語学力があるということは強みになってくるはずです。

(5)アテンド力

あえて「アテンド」と言いましたが、商社では、取引先のお世話やサポートは大切な任務です。自分のためよりも、人のために何かしたい、お役に立ちたいと思えることが重要です。人と接するのが好きな人やおせっかいと言われる人も向いているでしょう。気配り上手もポイントかも。

商社マンには「人としての総合力」が求められます。コミュニケーション能力があり、トータルでバランスの取れた考え方ができる人材が求められています。

 

6.商社の今後

現在、日本のアパレル業界は好調とは言えません。少子高齢化や所得の伸び悩みなどを踏まえると、今後も大きな伸びは見込めないでしょう。しかし、商社のビジネスがアパレル業界とともに落ち込むかというと、そうではないはず。なぜなら、彼らの強みは「時代やマーケットの変化に合わせ、ビジネスの在り方を柔軟に変化できること」だからです。これまでがそうだったように、経済環境や消費の変化に機敏に対応し、新たな事業領域を開拓していくでしょう。それは豊富な資金や多様なネットワークを誇る商社だからこそできるビジネスと言えます。

次のビジネスにつなげる新しい芽を育てていることも商社の強みのひとつ。アパレル業界で言えば、未来のあるデザイナーや企業に投資し、サポートする取り組みも積極的に行っています。

 

7.まとめ

グローバルにビジネスを展開し、一見派手な業界に見えますが、実は黒子的な役目が多いのが商社です。アパレル業界においても、社会情勢に合わせて少しずつ変化しながらも、常に業界の中核としてビジネスを回す「商社」の動向から、今後も目が離せません。

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