【19年度ファッション・アパレル業界調査】スポーツウェア売上高ランキング

  • 2020年12月18日更新
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センケンjob新卒を運営する繊研新聞社が国内メーカー、ジャパン社、輸入卸を対象に実施した19年度スポーツウェア売上高調査によると、前年と比較可能な26社(100%子会社除く)の合計売上高(推定値含む)は、前年度比0.3%減の5267億4800万円となりました。19年度は自然災害や消費増税、記録的暖冬、新型コロナウイルスなど、マイナス要素の多い年でしたが、他業界に比べると堅調に推移した模様です。ただ、「アウトドア好調・アスレチック不調」の構図は変わらず、アスレ事業を主力とする企業では大きくスポーツウェアの売り上げを落とすところが目立ちました。

■メーカー・ジャパン社・輸入卸

微減収もアスレ不振際立つ アウトドア好調は変わらず

前年と比較可能な回答企業26社のうち、スポーツウェア売上高で増収したのは15社で、前年度の16社から減りました。減収企業は前年度の8社から9社に増え、前年並み企業が2社のままでした。全体では増収企業のほうが多いが、売り上げ規模の大きいランキング上位で減収企業が多く、合計売り上げを押し下げました。

18年度と同様、19年度も、ゴールドウイン、コロンビアスポーツウェアジャパン、スノーピーク、エイアンドエフなど、アウトドア事業を主力とする企業の好調ぶりが際立ちました。アウトドアブランドのウェアを普段着、またはファッションとして着用する「ライフスタイル需要」が浸透していることが影響しています。

2期連続で全社売上高の最高記録を更新したゴールドウインは、「ザ・ノース・フェイス」が2ケタ%成長を持続し、アウトドア関連事業全体で前年実績に132億円を上乗せしました。キャンプ用品メーカーのスノーピークでも、アパレル事業が急伸。19年度は、直営店でアパレルの取り扱いが増えたことや、難燃素材を使った商品群の拡充策などが当たりました。

アスレチック事業を主力とする企業では明暗が分かれました。ニューバランスジャパンは、スニーカーの見栄えをよくする絶妙の丈感と履き心地の良さにこだわったパンツの新コレクションがヒットするなどして、スポーツ売上高を18年度比20%伸ばし、70億円(推定)としています。

一方、全世界で13.3%、日本地域では15.8%減収したアシックスは、特にヨーロッパでランニング、日本と米国ではトレーニングウェアが低調でした。また、「アンダーアーマー」の日本総代理店を務めるドームは、2期連続の減収となりました。

▶▶スポーツウェア19年度売上高ランキング

順位

社名(◎は連結業績)

スポーツウェア売上高(前期比伸び率%、▼は減・赤字) 決算期
1 デサント◎ 1054億4100万円(▼13.1%) 20年3月
2 ゴールドウイン◎ 978億9900万円(15.3%) 20年3月
3 アディダスジャパン 612億6500万円(5.0%) 19年12月
4 ミズノ◎ 486億円(▼9.7%) 20年3月
5 アシックス◎ 392億2700万円(▼13.3%) 19年12月
6 ドーム 331億5300万円(▼13.5%) 19年12月
7 ナイキジャパン 287億4400万円(6.0%)  
8 プーマジャパン 220億6800万円(0.5%) 19年12月
9 ヨネックス◎ 166億9400万円(3.0%) 20年3月
10 ワコールホールディングス◎ 127億4600万円(▼13.5%) 20年3月

《表の見方》

・対象の決算期は、19年6月~20年5月

・スポーツウェア売上高1億円以上を掲載。空欄は無回答または比較不能

・アディダスジャパン、ナイキジャパン、プーマジャパンは本社推定

・デサントジャパンのスポーツウェア売上高は450億円(本社推定)。ミズノの日本地域でのスポーツウェア売上高は388億円。アシックス日本地域のスポーツウェア売上高は160億円

・国内の卸企業のため表からは除外したが、ゼット(20年3月期)のスポーツ売上高は418億5400万円(前期比1.2%減)

■スポーツ専門店

大半が減収、減益・赤字も目立つ

有力スポーツ専門店の19年度業績は減収企業が大半を占め、利益面でも減益または赤字が目立ちました。その中でも、EC主力の企業やアウトドア系の専門店は健闘しました。店舗数も、これまでは増加傾向だったが、退店や再編により全企業的に減少に転じました。

19年度業績は19年7月期から20年6月期決算を対象としました。大手2社ではゼビオホールディングス(HD)が減収・大幅減益、アルペンは減収ながら経常利益は増益となりました。アルペンでは暖冬や消費増税、さらに新型コロナウイルスの影響もあり主力の一般スポーツ用品が苦戦しましたが、成長カテゴリーとするアウトドア部門、注力しているPBを中心としたカジュアルアパレルは堅調でした。

利益面でも売価コントロールにより粗利益率を改善し、販売・管理費も抑制できたため大幅に回復させました。期末店舗数は12店減の392店となった。ゼビオHDはアルペンよりも減収幅が小さかったものの、利益面は新規出店やシステム対応などで販売・管理費率が悪化したことなどが響きました。店舗は102店を出店、109店を閉店し、860店となっています。

シューズ主力の企業ではエービーシー・マートが微増収となる一方、チヨダとジーフットは減収・赤字となり、明暗が分かれました。エービーシー・マートの国内事業はカジュアルラインのスポーツシューズやファッションスニーカーに注力し、都心部の大型店ではスポーツアパレルや小物の取り扱いを拡大しました。店舗は52店を出店、23店を閉店し、都心部の旗艦店では改装や増床による活性化も進めました。

チヨダは子供靴を強化し、低単価のハンガーつり商材も拡大しました。店舗は20店を出店、38店を閉店し、靴事業は2.9%の減収となり、営業利益も半減しました。衣料品事業も減収となり、営業赤字が悪化しました。イオン系のジーフットは15店を出店、中国子会社の60店の退店もあり、国内884店、中国5店となりました。

同様にイオン系のメガスポーツは7店の減少となり減収となりましたが、経常損益は23億円の赤字(前期は75億円の赤字)と改善しました。ヒマラヤはアウトドア用品が2ケタ増収となりましたが、主力の一般スポーツ用品やゴルフ用品が低調でした。アウトドア用品を主体とするカンセキのワイルドワン事業は17%の増収と好調でした。

EC主力の企業は健闘が目立ちました。日本最大級のゴルフポータルサイトを運営するゴルフダイジェスト・オンラインのリテール部門は、消費増税で一時落ち込んだ反動もあり、6.5%の増収となりました。アウトドア用品のECを主体とするカンパネラは昨年7月に大型のアウトドア・ライフスタイルショップを開設し、大きく伸ばしました。

▶▶有力スポーツ専門店19年度業績ランキング

順位 社名 売上高 決算期
1 ゼビオホールディングス 2253億1200万円(▼2.7%) 20年3月
2 アルペン 2179億4300万円(▼4.5%) 20年6月
3 エービーシー・マート(国内事業のみ) 1944億6300万円(0.9%) 20年2月
4 チヨダ 1135億3000万円(▼4.2%) 20年2月
5 ジーフット 890億8900万円(▼6.2%) 20年2月
6 メガスポーツ 707億円(▼4.8%) 20年2月
7 ヒマラヤ 665億6000万円(▼2.1%) 19年8月
8 ゴルフダイジェスト・オンライン(リテール事業のみ) 173億5400万円(6.5%) 19年12月
9 二木ゴルフ 146億200万円(▼0.4%) 20年2月
10 ステップ 120億円(―) 19年8月

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