「SPA」とは?アパレル業界を変えたSPAの構造を解説します

  • 2017年09月07日更新
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アパレル業界を調べていると「SPA」という言葉をよく耳にしたり、目にしたりしませんか?言葉では聞いたことがあってもどういうものなのか詳しく理解できているでしょうか?今回は、アパレル業界におけるSPAの意味や構造について紹介します。

もくじ

  • SPAとは?
  • なぜアパレル業界ではSPAという言葉をよく耳にするの?
  • SPAの何がすごいの?
  • アパレル業界のSPAタイプ
  • アパレル業界のSPAが抱える課題
  • SPAで働くメリット
  • まとめ

SPAとは?

TungCheung / Shutterstock.com

SPAとは「製造小売業」を意味し、卸売りをせず、自社製品を自前の小売店で販売する企業のことです。アパレルメーカーの機能と専門店の機能が一体となった業態のことを指し、日本では「ユニクロ」などが代表的な例といえます。

SPAの起源となったのは、皆さんご存知のアメリカのGAP(ギャップ)社が1980年代後半に自らの業態を説明するのに使用した「スペシャリティー(S)・ストア・リテーラー・オブ・プライベート(P)・レーベル・アパレル(A)」の頭文字で、直訳すると「自社ブランドを販売するアパレル専門店」となります。

なぜアパレル業界ではSPAという言葉をよく耳にするの?

ではなぜわたしたちは「SPA」という言葉をよく耳にするのでしょうか?その理由は大きく分けるとふたつあります。

まず一つ目は、SPAの登場が、日本のアパレル業界の構造に変化をもたらし、大きな影響を及ぼしたからです。

日本へのSPAの登場は、90年代に「オゾック」を発売したワールド、「コムサデモード」を中心に展開するファイブフォックスなどが先頭に立ちスタートしました。SPA型の手法を取り入れた企業が順調に業績を伸ばしたことで、SPAはさらに注目されるようになりました。

ふたつ目は、日本にSPAが登場してからの約20年間、SPA企業がアパレル業界を席巻してきたこと

世界的に見ても、売上が高くアパレル業界でメジャーな企業にはSPAが多いように、日本でも業績の良いアパレル企業には、SPAが多くみられます。

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海外でいえば「H&M」や「ザラ」など身近なファストファッション企業はほとんどがSPAです。国内外を問わず、現在のアパレル業界をけん引している企業にはSPAが多いのです。

SPAの何がすごいの?

SPAの画期的だった点は、消費者のニーズがすばやく商品に反映出来るようになったことです。

元々製造卸として商品を小売店に卸すことのみを行っていたメーカーは、消費者のニーズが間接的にしか得られず、市場の動きに遅れをとっていました。

しかしSPAの登場によって状況は変化しました。自社で店舗を運営しているため、店頭からの最新の市場ニーズが社内で迅速に共有出来るようになったのです。その結果、期中企画商品(実シーズンに入ってから企画する商品)の生産が可能になり、売れ筋の商品をクイックに追加することができるようになりました。

また独自の収益構造もポイントといえます。

メーカー側のマージンと小売り側のマージンの両方が得られる上に、今まで仲介していた企業がなくなった分、自社の粗利益が高くなり、収益が増えるいう大きなメリットがあります。

アパレル業界のSPAタイプ

SPAは大きく分けて、2種類のタイプに分類することが出来ます。

それは「メーカー発のSPA企業」と「専門店発のSPA企業」です。

メーカー発のSPAタイプは、元々が製造業(メーカー)なので、モノづくりのノウハウを強みとして運営しています。

一方専門店発のSPAタイプは、小売りのノウハウを活かした戦略を強みとしており、「ユニクロ」など、近年業績が好調なSPAにはこちらのタイプが多くみられます。

アパレル業界のSPAが抱える課題

好調に見えるSPAですが、課題もあります。

ひとつめに上げられるのは「商品の同質化」です。

SPAの登場前のアパレルメーカーでは、シーズンに合わせて先行企画し、展示会でのバイヤーの買い付け量に合わせて計画生産し、見込みで生産した商品を卸していく「プロダクトアウト型」が主流でした。つまり、作り手側の発信力が強く、ブランド側の個性がはっきりしていました。

しかしSPAの登場によって、市場のトレンドやニーズに合わせて、消費者が望んでいる商品を生産する「マーケットイン型」のビジネスモデルが主流となりました。

マーケットインの発想によって「消費者の望んでいるであろうもの」「売れそうなもの」を作る仕組みは発展しました。一方で、どの企業も店頭情報をベースに「売れそうなもの」を作ることによって、同じような商品ばかりが世の中にあふれてしまう、「商品の同質化」が起こっています。

そしてこの問題と合わせて上げられるのは、海外のファストファッションや国内の「ジーユー」などの価格面が強みであるバリュー型大型SPAの人気により発生した「価格競争」の問題です。

類似する商品が安く販売されていれば、消費者であるわたしたちは安い方を購入したいと思いますよね?そうなると、企業やブランドが競合他社と勝負する要素が「価格」だけになってしまいます。単純に価格を下げようとすると、商品を作る際の「原価」を下げる発想になりますが、原価が下がると品質ももちろん下がります。原価を下げずに価格競争に勝とうとすると、大量に商品を作ることのできる大手企業が優位になります。

単純に「売れそうなもの」を作ってもダメ、ただ値段を下げてもダメ。そうしたジレンマが現在のSPAの課題と言えるのではないでしょうか。

もちろん、企業側も色々な努力はしています。価格競争では勝てない中堅ブランドは「脱・価格競争」「脱・同質化」に向けての取り組みを強化していますし、大手企業もコストパフォーマンスの高い商品を作ることで差別化を図っています。

SPAで働くメリット

SPA企業では、企画過程から商品の販売に至るまでをひとつの会社内で行うので、モノの流れがよくわかります。商品企画として従事していても、企画した商品を自社の直営店で販売することになるので、店頭で売れたかどうかなどもリアルに知ることが出来ます。それは、販売員として働いていても同じ。本部と店頭がつねに連動しているので、企画の意図や販売戦略なども共有されます。これが卸(メーカー)との大きな違いではないでしょうか。

また、SPA企業にとって店頭での情報は貴重であり、販売員が消費者の購買感覚を本部にフィードバックするのは大事な仕事です。企業はそのセンスを企画に生かすために、販売員から商品企画やディレクターなどに抜擢することもあります。そうしたステップアップを目指す人にも向いているかもしれません。

まとめ

今回はSPAの意味、長所と課題などを紹介しました。SPAの手法が、現在のアパレル業界に大きな影響を与えているということがよくわかると思います。いまのアパレル業界での就活を目指す皆さんにとって、SPAの構造を把握しておくことはとても重要なので、是非理解しておきましょう。

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