【アパレル業界研究】SC(ショッピングセンター)の動向や現状、最近の注目施設は?

  • 2017年11月14日更新
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そもそもSC(ショッピングセンター)とは?

SC(ショッピングセンター)とは、一つの単位として管理・運営される商業・サービス店舗の集合体です。

SCは施設(ディベロッパー)が施設内に店を構える企業(テナント)から家賃を受け取って管理・運営する「不動産賃貸業」と定義され、百貨店や量販店などの小売業とは異なります。

国内SCの業界団体である日本ショッピングセンター協会(SC協会)はSCの基準を

  1. 小売業(物販)の店舗面積が1500平方メートル以上
  2. テナントが10店以上
  3. キーテナント(施設内で核となる大型店舗)がある場合、その面積がSC全体の80%程度を超えない(その他テナントのうち小売業の店舗面積が1500平方メートル以上の場合は除く)
  4. テナント会(商店会)などがあり、共同で広告宣伝や催事(イベント)などを行っている

――としています。

様々なジャンルのファッション店を構えるルミネやパルコは一般の消費者からは百貨店のように映るかもしれませんが、いずれも小売業ではなく、不動産賃貸業です。

また、ルミネのような駅立地の商業施設、パルコや渋谷109、ラフォーレ原宿などのファッションビル、地下街などはSCではないとするファッションビジネス業界の人たちもいますが、いずれも条件を満たしていれば、SCに分類されます。

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国内のSCの数は?その推移は?

(写真=MADSOLAR / Shutterstock.com)

日本ショッピングセンター協会によると、2016年には54のSCが開業し、総数は3211施設、総売上高も31兆3259億円で前年比0.8%増となりました。しかし、競争激化の影響などで既存施設の売り上げは1.1%減でした。54施設が開業した一方で、閉鎖する施設も多かったため、総数の増加は16にとどまりました。既存施設を含め、お客に選ばれるために施設の持ち味を発揮することが不可欠です。

そのためには新しいテナントを入れるだけでなく、テナントとの綿密なコミュニケーションによる活性化策が重要になっています。販売員の人手不足も深刻です。最近では販売員が働きやすくするため、従業員休憩室を整備したり、閉店時刻を早めるSCも増えてきました。

今年開業したSCの中で特に注目を集めた施設は?

(写真=MADSOLAR / Shutterstock.com)

17年の4月に東京・銀座6丁目にオープンした「ギンザ・シックス」が話題を呼びました。国内外から多くの人々が集まる銀座、しかもメインストリートである中央通りにできた久々の大型商業施設だけに、4月20日のオープン前から数多くのメディアが取り上げ、注目されました。

商業施設面積は銀座最大の約4万7000平方メートルで、海外ラグジュアリーブランドのメゾネット型店舗や国内外のファッションの旗艦店を中心に241店が出店。飲食店や食品店、コスメ店なども豊富に揃えています。商業施設だけでなく、「フロア面積が都内最大」というオフィスゾーンや渋谷から移転した文化施設「観世能楽堂」も備えた複合施設であるという点も大きな特徴です。

ギンザ・シックスはもともと百貨店でした。以前は松坂屋銀座店でしたが、その跡地と隣接地を松坂屋を運営していたJ・フロントリテイリング、六本木ヒルズや表参道ヒルズを運営する不動産会社の森ビル、LVMHグループ、住友商事が一体開発しました。4社の共同出資会社が施設を運営しています。商業施設の業態は小売業から、出店する企業と一定期間の不動産賃貸契約を結ぶショッピングセンター(SC)に変わりました。

SCへの業態転換・再開発は加速中

ギンザ・シックス以外でも、百貨店をSCに再開発する動きが増えています。17年4月にJR名古屋駅に開業したタカシマヤゲートタワーモールは以前は松坂屋名古屋店などが入居していたビルの跡地を再開発してできました。3月に銀座にオープンした「マロニエゲート」の2と3は百貨店の「プランタン銀座」を全面改装した施設です。以前は取引先店舗との契約は百貨店の大半が行っている消化仕入れがほとんどでしたが、店舗面積全体の約9割を不動産賃貸契約に切り替えました。丸井も既存施設をSCの「モディ」に業態転換したり、不動産賃貸契約主体に切り替える戦略を進めています。

17年の秋には、J・フロントリテイリングが松坂屋上野店南館の再開発した大型複合施設、上野フロンティアタワー(地下2階~地上23階、延べ床面積約4万1000平方メートル)を4日に開業しました。

百貨店だけでなく、GMS(総合小売業)でもSC化する動きが相次いでいます。

SC化が進んでいる理由とは?

(写真=MikeDotta / Shutterstock.com)

各企業の考え方で違いはありますが、不動産賃貸契約によって安定的な家賃収入が見込め、小売業に比べて収益性が高いということが大きな理由でしょう。百貨店に関して言えば、一般的にSCの方が幅広い店舗が揃えられるという利点もあります。施設によって違いはありますが、百貨店の値入れ率(1店の売り上げに占める百貨店側の取り分)に比べて、SCの家賃比率は低く、メーカーや専門店が出店しやすいためです。

ただし、SC化したからといって全てが成功するわけではありません。むしろ、ここ数年でSCの開発が相次ぎ、競争はますます激しくなっています。

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