【日本の物作り】 糸編・宮浦社長 「産地の学校」立ち上げ 職人とデザイナーつなぎ活性化へ

  • 2017年09月01日更新
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東京・月島でコミュニティースペースを運営する傍ら、繊維産地に関わるテキスタイルコーディネーターやメディアの運営など多岐にわたって活動する宮浦晋哉さん。今春は実際に物作りを学ぶプログラム「産地の学校」を立ち上げ、海外への生地販売も始めた。産地の活性化に向け、より強く踏み込んでいる。

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本当の貢献とは

コミュニティースペースのコンセプトは世代、業種を超えて悩みなどが共有できる場所であること。「スタッフも増え、自分たちの仕事は増えてきたが、産地を取り巻く環境はますます厳しくなっている。コミュニティースペースだけでは本当の貢献ができないのでは。プレイヤーになっていかないと」として、産地の学校など新しいプロジェクトを始めた。7月には様々な繊維産地やそこで働く人を紹介した『FASHION∞TEXTILE』を出版した。今までの活動に区切りを付ける意味合いもあったという。

5月にスタートした産地の学校は、産地の職人やアパレルの専門家を招き、講義や交流、産地研修などを行うもの。産地の人材不足や、「デザイナーが産地や物作りに対して基礎知識を学ぶ場所がない」といった課題に対応する。例えば「経糸共通にして作りましょう」という言葉が何を指すのかわかれば、産地の職人がデザイナーとより密接なやり取りができると考えた。卒業後には「産地の学校ラボ」というフォローアップ・プログロムも用意。実際の発注の仕方を体験したり、閑散期を可視化して企画を立てたりと、実践的な学びの場を設けていく。

営業の支援も

一方、産地からは「テキスタイルの販路を拡大したい」との相談もあり、営業活動のサポートもする。日本のテキスタイルを国内外に発信、実際に輸出するプロジェクトも始めた。既に国内のデザイナーとは年間100ブランドほど取引がある。海外からも問い合わせがあり、今春には香港、パリ、ニューヨークに生地を持って行った。新進ブランドを中心にオーダーがあるなど一定の成果が出た。現在は産地企業を中心に約60社のサンプル生地を持ち、スポットでの仕入れ代行や若手デザイナーへのテキスタイルアドバイザーなども務める。「ゆくゆくは在庫を持ったビジネスもできれば」とも。

事業の拡大に伴い、5月には「糸編」という株式会社も立ち上げた。「北参道にテキスタイルとファッションの融合する場所を作りたい」と語る宮浦さん。産地とデザイナーをつなげることで、産地だけでなく国内ファッション産業全体の活性化につながっていくはずだ。

(繊研新聞2017年8月30日付けから)

 

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