服飾系専門学校に聞く!ウチの期待の星㊦

  • 2020年12月28日更新
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服飾系専門学校には、専門分野に特化した教育内容にひかれ、目的意識の高い学生が集まっています。

高校から服飾を専攻したり、海外からや大学既卒者など多様な学生が、知識や技術の修得、課題の制作に励んでいます。学内外のコンテストに意欲的に挑戦したり、ブランドを立ち上げたり、バイトなどで忙しい合間を縫って主体的に学び、活動の場を広げる精力的な学生も多食います。夢の実現や可能性を広げるために頑張っていて、各校が期待をかける専門学校生の思いや学生生活の一端を紹介します。

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■国際的活躍目指し前進

ドレスメーカー学院 服飾造形科1年 シリコーン・アナンシリプラパーさん

タイからの国費留学生として、昨年春に来日。1年間の日本語の勉強を終え、今春から服飾造形科で服作りを学び始めた。子供の頃から絵を描くことや美術館が好きで、高1の時に「ヴァレンティノ」のショーをユーチューブで見て、ファッションを志すようになった。経験を広げたくて高1で半年間、広島の公立校に留学。日本でファッションを学びたい思いが固まった。

目標が定まってから、バンコクの文化ファッションアカデミーの短期間の土曜講座で、ファッションドローイングを受講。国費留学の制度を知り、難関突破に向けて英語と数学に加え、独自に日本語の勉強も続けた努力家だ。在籍していたインターナショナルスクールの美術の授業では、自由制作でファッションと環境をテーマに、独学で水の流れを表現したシルクオーガンディのワンピースを作った。

今春から日本でファッションの授業が始まり、多くの人に好まれ、他人と違うデザインの考え方、アイデアの発想法から勉強中だ。実技もスカートとブラウスのデザイン、パターン、縫製と進み、2年でジャケットなど全アイテムを作れるようになる予定。日本は四季があり、気温や天気でコーディネートが変わるので、新宿や表参道、原宿や銀座に出掛け、街を歩く人や店頭を見て実地で学んでいる。

「様々なワークショップに参加したり、難しい素材でも作れるように2年間で基礎をしっかり学んだ後、アパレルデザイン科に進むか、服飾系大学に編入したい。ユーチューブやアプリを使い、ランウェーやショーの舞台裏を見て、ショーの服や舞台制作に必要なことを研究するのが好き」と意欲的。

卒業後も日本でブランドか映画や舞台衣装関係の会社に就職し、将来は「好きなブランドやデザイナーの下で、パリ・コレクションなどショーの仕事をするのが夢」だ。

不安乗り切る芯の強さ

名古屋ファッション専門学校 ファッションマスター科テクニカルクリエーターコース3年 武藤彩加さん

今年の卒展「NFファッションフェスティバル2020」で、武藤さんが制作した作品はスワロフスキー・クリスタル部門のグランプリに輝いた。

六角錐(すい)を全身に散りばめたドレスはデザイン画を描いた後、まずミニチュア模型を作り、実際に制作可能か検証した。「幼稚園のころから段ボール工作が好きだった」特技が生きた。

華やかなファッションに魅了され、高校では被服を専攻。明るい校風に引かれ、名古屋ファッション専門学校に入学した。「自分が作った服で誰かに貢献したい」との熱い思いは間もなく、焦りに変わる。周りが知っているファッション用語を自分は知らない。デザイン出しの課題でも、先生から何度もダメ出しを受けて、1日に10型以上のデザインを出したこともある。

「ついていけなくて辞めてしまうかも知れない」――。不安に押しつぶされそうだったのを、「負けたくない」というパワーで乗り切った。

卒展での作品制作は六角錐の柄合わせに苦労した。思ったように進まず、他の学生が服作りに入っているときに、自分はまだ型紙を作っていた。最終的に得意の縫製で何とか間に合わせた。

コロナ禍による在宅学習では課題での疑問点をLINEを使い、何度も担任の先生にぶつけた。学校としては社会に出てからのギャップが出来る限り少ないように厳しく指導していたが、それに負けずについてくる武藤さんを見て、「芯が強い」と担任の伊藤千春先生は舌を巻く。

将来の夢はデザイナー。不安はあるが、「売れる商品を発信したい。武藤さんに任せれば大丈夫と言われる人を目指したい」と強調する。

「分からないことは恥ずかしがらず、何でも聞くこと」という後輩に向けたエールは、武藤さんが通ってきた道でもある。

(繊研新聞本紙2020年8月27日付より)

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