服飾系専門学校に聞く!ウチの期待の星㊥

  • 2020年12月25日更新
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服飾系専門学校には、専門分野に特化した教育内容にひかれ、目的意識の高い学生が集まっています。

高校から服飾を専攻したり、海外からや大学既卒者など多様な学生が、知識や技術の修得、課題の制作に励んでいます。学内外のコンテストに意欲的に挑戦したり、ブランドを立ち上げたり、バイトなどで忙しい合間を縫って主体的に学び、活動の場を広げる精力的な学生も多食います。夢の実現や可能性を広げるために頑張っていて、各校が期待をかける専門学校生の思いや学生生活の一端を紹介します。

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■価値や意味のある服を

大阪文化服装学院 ファッション・クリエイター学科クリエイティブデザイナーコース3年 栂井香澄さん

栂井さんの強みは、「思い立ったらすぐ実行」する行動力と、「自分が納得するものを作るまで妥協しない」ことだ。学校では日々の課題に全力で取り組み、表現力を磨いてきた。

高校の文化祭で衣装を制作するなど、ファッションへの興味は幼い頃からあった。高校を卒業して大学に進学したが、「好きなファッションで働きたい。自分がどこまで行けるのか試したい」と考え、服飾専門学校に入学し直した。SNSで卒展作品を見て衝撃を受けた大阪文化服装学院に飛び込んだ。

絵を描くのがもともと好きでデザインは得意。入学当初はデザイン画と、それを具体化した服とのギャップに悔しい思いをしたが、「今は思い描いたものを実際に表現できる自信がある」。自然や花が好きで、気になるものは画像で保存して普段から見られるようにし、新しいアイデアの題材に生かしている。

入学してからはデザインコンテストに意欲的に挑戦。「HEPファイブユニフォームプロジェクト」でグランプリをとり、今春から1年間、同施設でインフォメーションスタッフが着用している。19年には人と花をテーマに手染めしたプリーツ生地を使った服で、装苑賞にも応募。16組が選ばれる二次審査を通過し、20年秋に公開審査会が予定されている。

今後の目標は、希望する企業にデザイナーとして就職すること。コロナ禍で就職活動が思い通りに進まない面もあるが、「就職して服作りの過程をしっかり学びたい」と言う。サステイナビリティー(持続可能性)への関心が高まっているが、「これから大事になるのは、着る人にとって本当に価値や意味のある服。ずっと捨てられない服を作りたい」と話す。

■人に寄り添える服作り

上田安子服飾専門学校 ファッションクリエイター学科ファッションクリエイターマスターズコース3年 南岡結衣さん

自身の長所は「目標に向かい続ける芯の強さ」。中学と高校で吹奏楽部に所属し、どんな時も弱気にならず、ベストを尽くす重要性を学んだ。協調性があり、「我を通すよりも寄り添うタイプ」と自らを振り返るが、「追い込まれた時ほど、頑張れる」と笑顔を見せる。

出身は奈良県。幼い頃から洋服は好きで、姉のお下がりを着ることが少なくなかったせいか、「自分が着たい服を描くのが好きになった」。小学校低学年の頃には「将来デザイナーになりたい」と思っていた。地元の中学、高校で視野を広げた後も、「やはりファッションの道に進みたい」気持ちが強く、オープンキャンパスで気になった上田安子服飾専門学校に入学した。

在学中は持ち前の性格を生かし、多くの知識や技術を身に着けた。最も得意だったのはデザイン。「情報が浅い」のでネットに頼らず、積極的に図書館に足を運び、調べたいことをとことん掘り下げた。

8月に行われた「第145回上田学園コレクション・プレタポルテ展2020」では、「現代社会における戦闘服」をコンセプトに制作した。ワークウェアの要素を取り入れつつも、厚手のパンツは膝上までにするなど、中途半端なディテールをあえて意識することにより、「耳を傾ける」という意思を反映させる工夫をした。サテンや透け感のある素材で、物理的戦闘を目的としない現代社会の戦闘のための服であることも表現した。

今後の目標は、人の一生に寄り添えるような物作りをしていくこと。就職が内定した企業でも、同じような思いや悩みを持っている人に向け、「その時の自分にしかできない服を提案していければ」と話す。「服を作る先には必ず人がいることを忘れずにいたい」と考えている。

(繊研新聞本紙2020年8月27日付より)

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