服飾系専門学校に聞く!ウチの期待の星㊤

  • 2020年12月23日更新
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服飾系専門学校には、専門分野に特化した教育内容にひかれ、目的意識の高い学生が集まっています。

高校から服飾を専攻したり、海外からや大学既卒者など多様な学生が、知識や技術の修得、課題の制作に励んでいます。学内外のコンテストに意欲的に挑戦したり、ブランドを立ち上げたり、バイトなどで忙しい合間を縫って主体的に学び、活動の場を広げる精力的な学生も多食います。夢の実現や可能性を広げるために頑張っていて、各校が期待をかける専門学校生の思いや学生生活の一端を紹介します。

■独自の服作りを探求

文化服装学院ファッション高度専門士科4年 田中優さん

中学の頃から草間彌生さんが好きで、自分で考えた模様や絵を描いて過ごすことが多かった。高校ではダンス部の部長で、振り付けや曲の編集、衣装デザイン、舞台演出まで手掛けていたが、「ファッションで自分を表現したくなり」、著名デザイナーを多く輩出する文化服装学院に進学。幅広く学んで自分に向いていることを探したかったのと、4年次にコレクションを作ってショーで発表できる点も魅力で、高度専門士科を選んだ。

「染色や生産管理、ビジネスなど川上から川下までの流れを全て学べて良かった」と話し、様々な技術や加工を試して生地から作り、大好きな日本の伝統文化を取り入れた服作りに挑戦。イラストレーターやデジタルプリント、自分で購入した横振りミシンを使った刺繡で、金魚や浮世絵などを基に和を感じさせる柄を入れた作品作りに取り組んでいる。

高校時代に始めたインスタグラムで、文化に入って発信するようになった学校で制作した服が、外部の人に人気。アーティストや海外オンラインマガジン、美容系などの雑誌から、作品の貸し出し依頼が月に2、3件入るほか、登録者100万人以上のユーチューバーから衣装制作の依頼も来る。撮影の立ち合いに丸1日かかることもあり忙しいが、「プロのスタイリストやメイク、カメラマンなど発想力が豊かな人と関われ、意思疎通の取り方も含めて勉強になる」と、学業も外部活動も手を抜かず、精力的にこなしている。

1月に発表された文化や連鎖校が対象のコンテストでは、デザイン部門で1800以上の応募の中から、同科3年では初めて大賞を受賞。図書館で資料を調べ、百鬼夜行から着想してコンセプトを練り上げ、織機から出た端切れと染色したビニールチューブを縫い付けて生地から作り、持続可能性を問いかけたドレスが評価された。「学生時代に悔いはない。やり切った。デザイナーブランドの企画職、海外でコレクションを発表するデザイナーと着実に歩みを進めたい」と未来を見つめている。

■主体的に学び成長

東京モード学園 ファッションデザイン学科高度専門士コース ドン・ユエンイーさん 

ウェディングドレスのショーをテレビで見て、美しさに圧倒され、「自分でも作りたい」と思ったのが10代前半。高校入学時には、流行の移ろいや生活を反映するファッションの道に進むことを決意。生まれた国や考え方の異なる人と話し、知識や視野を広げたいので中国を離れ、アニメや文化にも興味がある日本に留学することを決めた。

目標を定め、達成に向けて貫き通す意志の強さがある行動派。高3から日本語と、ネットで調べて独学でデザイン画とポートフォリオの勉強を開始。高校卒業後、日本語学校に入って半年で検定に受かり、17年春に憧れのモード学園に入学した。「知識や能力を高める努力をしないと付いていけない」と思い、デジタルの授業の後、自習してフォトショップやイラストレーターも修得するなど常に主体的に学習。2年次に初めて学外のコンテストで最終審査に進み、先輩たちとの実力の差を感じ、悔しかったのでコンテストの応募にも本腰を入れ始めた。

デザイン画は服を主役にし、芸術性に市場性とトレンドを加え、シルエットとデザインのバランスを取りつつ、個性が審査員の目に留まる描き方に変え、予選を通過する機会が増えた。アイデアのヒントは美術館や科学館、建築物やインテリア、ウェブでプロの作品を見て探す。「自分のスタイルを入れつつ新しい技術に挑戦し、どうきれいにまとめるかを考え、作業する過程が楽しい。他の出品者の作品から学ぶことも多く、技術や表現など物作りの幅が広がる」と参加を重ね、力を蓄えている。

3年の秋は三つのコンテストの作品制作が重なり、バイトを2カ月休んだが、ユミ・カツラ・アワードで最終審査に残り、岐阜マザーズコレクションで金賞を受賞した。経験を積むほどうまくなっていくと実感。今年も積極的に応募し、1点1点の作品に後悔しないよう力を尽くすつもりだ。母国でファッション企業に就職し、市場について学んでから、独立して衣装制作の道に進みたいと前を見据えている。

(繊研新聞本紙2020年8月27日付より)

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