【アパレル業界・基礎講座】メーカーを知る② 「専門店向けアパレル卸」の現状とは?

  • 2018年06月04日更新
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これまでに服を作る材料である糸や布がどのようにして作られるのか見てきました。今回は業界構造アパレル編として、服をデザイン、生産し、小売りに供給する企業について学びます。

アパレルメーカーには主に百貨店向けの大手総合、個店や中小規模のチェーン店向けの専門店向け、イオンやイトーヨーカ堂などの量販店向けの3種類があります。ただ、流通構造が変わる中、作る商品や売り先は変化しています。

今回はこの中から、個店や中小規模のチェーン店向けの「専門店向けアパレル卸」についてご紹介します。

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Q アパレル卸について教えてください

A 自らは小売店を持たず、中小規模の品揃え型専門店に商品を卸売りしているアパレルメーカーをアパレル卸と言います。企業の多くはレディスウエアメーカーで、全国の個店やリージョナルチェーンへ商品を供給しています。

90年代以降の景気低迷の影響で、これら専門店が対象とする客層の可処分所得が減少して、卸し先の専門店の売り上げが不振となりアパレル卸の苦戦が続いています。また、対象顧客の高齢化も売り上げ減少の要因となっています。

アパレル卸と専門店の取引形態にも課題があります。取引は大きく分けて「買い取り」と「委託」があります。専門店のバイヤーが展示会などで注文した商品を、自らのリスクで買い付けるのが買い取り取引です。

一方、バイヤーが商品を発注しても、店頭で売れ残りが出た場合には、その残品をアパレル卸が引き取って代金を返却することを条件にするのが委託取引です。委託販売は返品のリスクがあるため、卸にとっては避けたい取引形態です。

最近ではアパレル卸が、買い取りを前提とした取引のみに切り替える動きがでてきています。それにより卸し先が減少して売り上げ規模を縮小しても、在庫過多を回避することを優先する手法です。買い取りができる目利きのバイヤーがいる専門店との取引を優先することで、自社の商品企画の精度を向上することも狙いです。

また、卸業を主力としながらも自ら直営店を運営する動きも活発になっています。廃業する専門店を譲り受けて、自社の商品を主力に品揃えを行うことで商品の販売先を確保しています。これによって消費者のニーズを直接とらえて商品企画にも生かしています。

卸業者から専門店への貢献を考えれば、アパレル以外の商材提供も考えられます。レディスにこだわらず、メンズや化粧品、ヘアケアなど異業種との取り組みを進める動きもあります。その結果、卸し先の集客力が高まり、新たなニーズを見つける動きも出てきています。

年商10億~30億円の企業規模が多いアパレル卸は、商品企画や経営手法の独自性が事業拡大の鍵になります。市場の変化に適応して柔軟に変化することで事業拡大を行っています。

卸に特化し強みを発揮するアパレルメーカー(ファスサンファール)

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