【業界研究用】アパレル業界が5分で分かるまとめ 専門店編

  • 2017年04月08日更新
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アパレル業界で就職活動をするためには、業界研究は非常に大切です。今回はアパレル業界全体の市場規模やシェアを学ぶとともに、成長中の「専門店」分野についても見て行きましょう。「ユニクロ」や「しまむら」が活躍している理由がきっと分かるはず!

目次

  1. 日本のアパレル業界の市場規模って?
  2. アパレル業界の販路別のシェアは?
  3. アパレル業界で専門店のシェアが拡大しているワケは?
  4. アパレル業界における低価格分野の規模と今後は?
  5. まとめ

日本のアパレル業界の市場規模って?

衣料消費市場規模のグラフ

  • 2014年は9兆3500億円
  • 2011年から4年連続で増加
  • リーマンショック以前の規模に回復

日本のファッション市場の中で、衣料消費の規模が金額ベースで過去10年、どのように推移してきたかを表したのがグラフ①です。ピークは2007年で、このときの日本の衣料品消費市場の規模は約9兆6500億円ありました。

その後2008年にリーマンショックに端を発した世界同時不況の影響で日本の衣料消費は冷え込み、2010年には8兆6000億円にまで落ち込みました。回復の兆しが見え始めたのは2011年からです。この年は東日本大震災が起こり、衣料消費が再び停滞するのではないかと懸念されました。

ところが前年まで続いていた低価格訴求の流れに飽きがきていた消費者が付加価値の高いファッションを買い求める流れが強まっていたこともあり、衣料消費市場の規模は金額ベースでは増加傾向に転じます。その後も市場規模は4年連続で回復を続け、2014年は9兆3500億円、リーマンショックのあった2008年の水準まで戻りました。

この間の衣料消費市場規模の回復は、景気後退局面に低価格化がいったんは進んだものの、その後、価格以外に訴求力のあるファッションが再び求められるようになったことで起こった現象であり、2013年の政権交代による景気浮揚策などの効果が寄与している面は薄いと言えます。

アパレル業界の販路別のシェアは?

アパレルの販路別の市場規模グラフ

  • アパレル専門店が全体の5割強
  • ネットの伸びで通販倍増
  • 百貨店、量販店は縮小

販路別のシェアの推移を見ていきます。グラフ②は、衣料消費市場に占めるファッション・アパレル専門店、百貨店、量販店、通信販売の業界シェアの変化を示したものです。

ご覧の通り、もっとも規模が大きいのは専門店で、2005年に4割程度だったシェアは2013年に5割を越え、2014年もさらにそのシェアは上昇しました。

専門店のシェア上昇の理由は出店立地の拡大です。日本には3400を超えるショッピングセンター(SC)があり、その数は今も増え続けています。1990年代以降、専門店はSCへの出店を本格化し、SCの数が増えるにつれ、専門店も店舗数を増やし、その規模は拡大していったということになります。

その一方で、規模縮小が目立つのが百貨店と量販店です。百貨店は10年前に3割だったシェアが2割まで低下しました。量販店も2割だったシェアが13%まで下がっています。これは、この間規模を拡大している専門店、通信販売にその役割を奪われていったためです。

通信販売はネット通販(EC)の伸びで、規模が10年前より87%拡大し、販路別のシェアも1割を越えました。様々な価格帯、グレード、テイストのファッションを販売する専門店の店舗数が増えたことと、どこでも手軽に買い物ができるネット販売がファッション分野にも普及したことで、販路別のシェアが変化したわけです。

アパレル業界で専門店のシェアが拡大しているワケは?

衣料市場シェアの比較グラフ

  • ユニクロとしまむらが台頭
  • 10年で8割近く規模拡大
  • 2社で専門店分野の4分の1を占める

グラフ③は、衣料消費市場の販路別シェアを2005年と2014年で比較したものです。この10年で百貨店は3割、量販店は35%、それぞれ規模が縮小しています。一方、専門店は87%拡大しており、結果として市場に占めるシェアが過半に達しています。

前項で専門店の規模拡大の理由を出店立地としてのSC数の増加としましたが、実は専門店のシェア拡大には、もう一つ理由があります。リーズナブルな価格を武器にする大手専門店の業績の伸びです。とりわけ目立つのは、「ユニクロ」と「しまむら」の成長ぶりです。

大手専門店の市場シェアグラフ

グラフ④は専門店の売り上げ規模に占める2社のシェアがどのように変化したかを示すものです。ユニクロは10年で規模がほぼ倍増し、1社で専門店全体の15%を占めるまでになっています。しまむらも1・5倍に規模が拡大し、シェアは10%に達しました。いずれも、市場全体が縮小均衡状態にあった2007~2010年も売り上げを伸ばしてきました。

成長できた理由は、価格訴求力です。ユニクロはベーシックで高品質な衣料品を海外生産で大量に仕入れる仕組みで規模を拡大しました。しまむらはトレンド商品を廉価に提供する手法で伸びてきました。2社の扱う商品は種類が違いますが、それほどお金をかけなくてもファッションを楽しむことが出来る機会を消費者に提供したことでその規模を拡大してきたわけです。

アパレル業界における低価格分野の規模と今後は?

低価格分野のシェアグラフ

  • 10年で全体の46%に成長
  • 大量販売の仕組みを持つ大手が強い
  • 調達コストの変動で低価格一辺倒の状況に変化

グラフ⑤は、市場で低価格の衣料品を販売する小売業の売り上げ規模がどこまで増えたのかを示したものです。消費の停滞した2009年以降、そのシェアは拡大傾向が続き、2014年時点では全体の46・2%と過去最大になっています。

価格訴求力を武器にアパレル・ファッション業界でのシェアを拡大したのは、ユニクロとしまむらだけではありません。規模が縮小しているとはいえ、量販店も衣料品を販売しています。また、「H&M」や「ZARA」など海外のファストファッションも日本で出店を拡大し、衣料品の低価格化を促進しました。

この10年、消費者の可処分所得は増えておらず、家計に占めるファッションへの支出は減っています。こうした状況下で、低価格でも品質の良い、あるいはトレンドをうまく取り入れた商品を大量仕入れ、大量販売の仕組みで販売する企業が伸びたのです。

ただ、為替の変動や海外生産国のコスト上昇で、価格帯を問わず、ファッション分野の企業は販売商品の価格を引き上げざるを得ない状況にあります。また、値ごろに購入できることに慣れた消費者のファッションに関する価格の相場もかつてより低下しています。

アパレル・ファッション業界で単純に価格を他社よりも下げることで売り上げを高め、なおかつ利益を上げることは一部の大手をのぞき、難しいのが現状です。今後は価格以外の価値をいかに演出するかがファッション小売業共通の課題になると言えそうです。

まとめ

今回はアパレル業界の構造や大きな流れについて紹介しました。衣料品の消費はその時々の経済状況や消費者のマインドの変化と密接に関わり合っていることが分かったのではないでしょうか。こうした情報に敏感になることは、販売職やデザイナー、バイヤーなど、どんな職種にでも必要なこと。面接で「今のアパレル業界をどう思う?」なんて聞かれて焦らないように、しっかりと頭に入れて就活に挑みましょう。

<繊研新聞14年10月~15年7月「ファッションビジネス・プロフェッショナルへの道」を再編集>

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