【連載】企業側から見る18年新卒採用事情① プレ採用活動強まる “学生目線”が重要に

  • 2017年12月06日更新
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売り手市場が続くなか、厳しさの増すファッション業界の採用戦線。企業としては、内々定を出した後も承諾を得るため、自社の魅力を伝え、個別に関係を深めるなど内定者対策や、3月の解禁前に学生と接触するプレ採用活動に力を入れています。

ダイバーシティー(人材の多様性)の視点で優秀な学生を確保、入社後の働きやすさやキャリアアップの仕組みと合わせてわかりやすく説明するなど、より多様で細やかな工夫が目立ってきました。

複数の内々定

18年春卒業予定者の採用活動は、経団連の指針では前年同様、会社説明会など広報活動の開始は3月1日、選考や面接の解禁は6月1日。大手の選考開始前に学生を確保したくて、内々定を3月から出す業界もあります。ファッション業界でも5月中旬までに出す企業が増え、今年は短期決戦の様相が強まりました。

学生は複数の内々定を持つことが当たり前になり、「4月初旬に内々定を出したのに大半が保留で、辞退率も5割に上がった」など「例年以上の売り手市場」。各社が内定承諾獲得策に力を入れ、競争が激化したのが18年春採用の特徴です。

選考中の店舗での就業体験、内々定者向けの若手社員の座談会、役員との交流会のほか、社員が何回も会って1対1の関係を強め、グループ研修や、研修後に個別評価するといった企業が増えました。働く現場や仕事の内容、働き方、働いている人への理解や愛着を深め、会社を好きになってもらうための“学生目線”の活動が重要になっています。

一方、解禁が3月に後ろ倒しされて3年目。大手から人気企業までどの業界もいっせいに説明会を開始するため、多くのファッション企業で個別説明会の参加者が減りました。解禁前に行きたい業界や企業を絞り、決め打ちで就活する学生の増加に対し、2月までに学生と接触できるプレ採用活動として、短期のインターンシップが増えています。学校主催の業界研究などへの参加と並び、必須となりつつあります。企業の個別開催では学生の確保が難しくなり、合同型の1日インターンシップも盛況です。

競合の激化を受け、欲しい人材を確保するために応募を待つだけでなく、自ら動いて学生に働きかける企業も現れました。スカウト型セミナーに参加し、集団面接の練習の指導役などで学生と接触し、気に入った学生に連絡するといった攻めの採用を行う企業も出始めています。

地道な活動続く

大学生の就活が早まる傾向に対し、服飾系専門学校生は状況が異なります。文化服装学院では生活の安定や給与、福利厚生を重視する学生が増え、就職志望者が17年度は92%で、前年度の80%台から上昇した。3月中に内定をもらった学生もいる半面、9月の内定率は例年通り約4割。9月半ばの学内合同説明会には、販売職中心に計画未達の企業28社、学生約250人が参加したが、11月で内定率は約5割です。

新潟の国際トータルファッション専門学校も、内定率は例年通り夏休み前で5割、秋採用が始まって9月に6割、11月で7割に上昇し、年内にほぼ全員決まる見通し。ブランド志向が弱まり、等身大のSPA(製造小売業)系が人気。販売職の求人が多く、技術職の求人が減っているのが悩みです。

文化服装への求人も技術・企画系の求人が前年より10%減り、生産管理や縫製は20%近く増えたのですが、若い人の離職率が高いせいか「厳選して採用する企業が多い」といいます。文化祭が終わって今月から就活を始めたり、企画や技術職志望でOEM(相手先ブランドによる生産)や中小企業、別の職種に対象を広げる学生が多く、卒業時には80%以上が就職する見込みです。

出遅れて就活を始めた学生を対象に地道な採用活動も続くなか、今回の連載では改めて18年春採用を振り返り、各社の工夫を紹介します。

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