【ファッションビジネス企業のお仕事紹介】現場で働く先輩に聞きました!㊦

  • 2020年03月23日更新
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
S624x416               96

21年春卒業予定の学生の皆さんの就職活動が3月1日の採用情報開示を受けて本格化します。ファッションビジネス(FB)は中小企業主体で、多様な業種や人が連携して成り立つ業界。どんな職種があるのか仕事の種類と、それぞれの内容が分からない人、まだ目指す方向や職種が定まらない人も多いはずです。

今回は、本格的に〝就活〟を始める皆さんをはじめ、FB業界に興味のある人に向けて、現場で活躍する先輩たちに職種別に、仕事の内容と魅力について語ってもらいました。

㊤はこちらから

【店長・販売職】接客通じ広がる人とのつながり

 中西商会(福岡)マネジャー 太田彩希さん

お裁縫をしていた祖母が身近にいた影響で、小学生の頃から将来の夢は洋服屋さんになることでした。ファッション学科のある短大を出て、この春で入社9年目になります。

中西商会はファッションの販売代行会社ですから、販売スタッフから始まって店長、エリアマネジャーなどを務めながら、2、3年ごとに店舗を異動してきました。この仕事が大好きなのは、接客を通じて人とのつながりがどんどん広がっていくところです。店舗を異動しても、以前の店舗でつながったお客様との関係が継続していくことも少なくありません。中には仕事外のプライベートなお付き合いにまで深まることもしばしば。

店長になりたての頃には周りを見る余裕がなく、スタッフ同士の関係がギクシャクしていることに気付かず、自分が不在の時にいさかいが起きてしまうこともありました。日頃から「何か困っていること、悩んでいることはないか」と、スタッフ一人ひとりとこまめにコミュニケーションを取り、自分自身の悩みの解決にもつながっています。

洋服もネットで買うことが普通の今、店舗に来ていただいたお客様には試着しないと分からないフィット感や見え方、ネットで見る商品と実物との違い、例えば色味や素材感が大きく違うケースがあると分かってもらうことが大事。店頭にある多くのアイテムの中から、そのお客様に合うコーディネート提案をどれだけ用意できるか。ネット上と違い、一度に多くのコーディネートを比較できる優位性を実感してもらえるような接客を心がけていきます。

この先も、楽しいこの仕事をずっと続けたいと思っています。

【プレス】ブランドの魅力伝え集客につなげる

パル「ディスコートティピー」プレス 大久保あゆみさん

メンズ・レディス・キッズ「チャオパニックティピー」のプレスに就任したのは15年。打ち出したいイメージやアイテムに基づき、プロモーションプランを組み立てるのが主な仕事です。

ブランドの意図を伝えるキービジュアルやイメージムービーを定期的に制作します。モデルやスタイリスト、カメラマン、アートディレクターなどのキャスティングから、オリエンテーションやロケハン、撮影、そして画像や動画の確認まで仕事は多岐にわたります。手間や時間のかかる作業ですが、想像以上に魅力を表現できた時や、その内容をスタッフたちが気に入ってくれた時のやりがいは大きいです。

最近はSNS広告にも注力しています。タイムリーな配信ペースを確認し、より多くの人のリアクションが得られる機会を増やそうと努力しています。SNS関連については、「スタッフスタート」の管理もしていて、SNSの効果的な発信方法や結果などを店長会議で共有する作業に取り組み、経由売り上げはもちろん、総フォロワー数も大幅に増やすことが出来ました。

仕事をするうえではチャレンジ精神と、実行したアクションに対してきちんと分析する作業を大事にしています。また、物事の良い側面をとらえる工夫、協力してくれる人に対する感謝の気持ちも忘れません。接客が大好きで、今でも週1回、店頭に立ち、そこで得られるリアルな声を大切にしています。

ファンを増やしたくて、18年からブランド独自の展示会、新作受注会のイベントを開いています。スタッフのSNS発信効果も向上し、回を追うごとに来場者が増えています。今後は、このイベントをもっと大きな規模に育てたいです。ブランドが提案する衣食住を体験できるような施設の実現も夢としてあります。

【ミシンオペレーター】技術を磨き、チームで支えあう

サンワーク 澤田桃華さん

朝礼でライン長から今日の目標が出されてから、ミシンを踏み始めます。ジャケットやコートといったアウターの縫製では、3人から4人でチームを組んで襟や身頃、ポケットなどを分担して作業します。パーツが少ないアイテムだと2人で組むこともあります。

シーズンごとにアイテムの素材が違います。綿もあれば、ボアやファーもあります。素材に応じ、針の太さや糸のテンションを変えないといけません。うちはベテラン職人がいますので、わからない部分はアドバイスをもらいます。

アイテムには納期があります。チームで縫製していると、自分の遅れが、全体の遅れにつながることがあります。個人としての技術を高めると同時に、支え合いが必要な仕事でもあると思います。

体力も必要です。ずっと黙々とミシンを踏む日もあれば、アイロン掛けで、1日中立ちっぱなしの時もあります。夕方には足がパンパンに張ります。それでも、私は出来上がった達成感があるから苦になりません。また、有名ブランドがショーで発表する前のサンプルを見られるのも、この仕事ならではの楽しみです。

学生時代には、工業用ミシンで「速く縫う」感覚に慣れておくと仕事で役に立ちます。現場では、しつけやマチ針は使わず、パワーのあるミシンで「ザザッ」と縫います。クラスに置いてあるミシンで3年間練習すると、スタートラインから全然違うと思います。パターンは学生時代に学んだことを細かくメモしておくと役に立ちます。

携わってみて、縫製は本当に奥が深いと感じています。もっとうまくなれるよう努力していきたいです。

おわり/繊研新聞2020年2月25日付より

    関連する記事

    この記事に関連するキーワード

    話題のキーワードキーワード一覧

    月間ランキング月間アクセスランキング

    週間ランキング週間アクセスランキング