【ファッションビジネス企業のお仕事紹介】現場で働く先輩に聞きました!㊤

  • 2020年03月13日更新
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21年春卒業予定の学生の皆さんの就職活動が3月1日の採用情報開示を受けて本格化します。ファッションビジネス(FB)は中小企業主体で、多様な業種や人が連携して成り立つ業界。どんな職種があるのか仕事の種類と、それぞれの内容が分からない人、まだ目指す方向や職種が定まらない人も多いはずです。

今回は、本格的に〝就活〟を始める皆さんをはじめ、FB業界に興味のある人に向けて、現場で活躍する先輩たちに職種別に、仕事の内容と魅力について語ってもらいました。

【デザイナー】トレンドの変化を楽しんで

エフリード・サブロク事業部チーフデザイナー 中安知穂さん

今年の4月でちょうど入社10年になります。現在は大手レディスブランドへのODM(相手先ブランドによる設計・生産)の提案を担当しています。

企画して、展示会でバイヤーに見てもらい、その後の商談で企画の細部を詰めていく、というのが大きな仕事の流れです。私は四つのブランドを担当しています。ブランドによっては1シーズンに40~50型を製品化しますが、製品化までいかない企画もあるので、企画総数はかなり多いです。

ODMなので、バイヤーやそのブランドがどんな服を求めているかをいつも考え、その中で私なりの発信を大切にしています。また、海外工場とのやり取りは、言葉の壁があるので、例えば指示書でも写真を交えるなどの工夫をしています。

バイヤーから「売れたよ。ありがとう」「この提案、助かった」と言われると、やりがいを感じます。社内も含め、人の役に立てた時はうれしいですね。可愛い企画が出せた時も気持ちが上がります。トレンドのある仕事なので、その移り変わりも楽しむようにしています。

18年9月から、デザイナーの目標設定や働きやすい環境作りにも関わるようになりました。社内の先輩に相談しながら、やりがいを持って働ける職場整備に貢献したいです。

正直に言うと、学生時代は遊んでいました。でも、いろいろな人と会って、話をしてきたことがコミュニケーション能力向上につながったかなと、今、振り返ると思います。

長期旅行は社会人になるとなかなか行けません。学生なら今のうちに行って、海外の文化に触れておくと、良い経験になるし、自分の引き出しが増えるでしょう。

【パタンナー】様々な職種と連携し折り合い探る

オンワード樫山生産購買本部生産技術部レディス技術三課 坂本舞花さん

10年の春、パタンナー職で入社しました。初めの3年半は「トッカ」でアシスタントを務め、先生役の先輩に一から仕事を教わり、次にパタンナーとして新しいPBで約5年、2年前から「自由区」を担当しています。

自由区は40代~50代向けで、入学、卒業などに着る人も多い百貨店ブランド。パタンナーは7人で、半年先に売る商品の企画を毎月20~30型、7人で分けて同時進行で作業しています。

いろんな職種の人と関わる仕事で、デザイナーからデザイン画を受け取り、CAD(コンピューターによる設計)でパターンを引き、自動裁断機でシーチングを裁断。トワルに組んでデザイナーにチェックを受け、初回サンプルのための芯地など内蔵物の付属の仕様を決め、付属屋さんにメールで発注。工場にはパターンと仕様書をメールで送り、生地や付属など必要な資材はセットにして郵送し、サンプルを発注します。的確な指示が重要で、海外工場には図解も付け、完成度を高めています。

初回サンプルが上がると、全品番分の各色サンプルと、量産用の最終のパターンと仕様書を作り、付属用の書類を入力。量産に入ってからも、生地の裁断前と量産開始後にチェックします。パタンナーはデザイナーの意思を形にする仕事なので、デザインの好みやくせ、特徴を理解する努力が大切。一方で工場の設備や生産能力を知る必要があり、この工場で、この顔は出せないから仕様を変えようなど、間に立って折り合いをつける仕事もしています。生地の物性や特徴を知らないとパターンに反映できないので、生地の勉強も大切。デザイナーと感度を合わせるため、新しい商業施設など市場を見に行くのも大事です。

多くのパターンを引き、レパートリーが増えても毎日、分からないことがあり、周りと相談して解決し、日々成長を実感できる仕事。中堅ですが、チーフなど人を動かして下の人から目標とされる人を目指したいです。

【EC担当】「客を知る」ことが生きる

トウキョウベース「ステュディオス」EC事業部マネジャー 川林真人さん

16年に入社し、すぐに新業態の立ち上げに携わりました。2年目にはブランドECのFC事業、「ステュディオス」ゾゾタウン店のマネジャーを経験。今は自社ECを運営するマネジャーを担当しています。トウキョウベースに入社した動機は、全体に社員が独立心旺盛なところ。おしゃれ好きが生かせて、挑戦と成長ができる環境だと思い、選びました。

1年目に配属された古着の新業態は、学生アルバイト時代から関わっていました。大きな成長が見込みにくい業態と分かったため一度、販売員として接客を学んでいた時、ブランドECのFC運営のマネジャーに抜擢(ばってき)されました。振り返ってみると店舗での接客は、とても貴重で重要な経験だったと思います。実店舗もECでも「客を知ること」が販売の本質。「欲しいブランドがあるのに店には在庫がない」という客の声からヒントを得て、ECでは予約受注方法を活用して、大きく売り上げを伸ばせました。

直営ECの責任者になってからは、仕入れだけでなく、サイト設計、情報作り、機械語、コーディングなどの学習や処理まで仕事の幅が広がり、難度が上がりました。それでも「顧客視点」が軸であることは変わらない。今や商品はどこででも買えますが、ステュディオスのECサイトでしか味わえない独自のサービスを磨き、お客様に喜んでもらうことを重視しています。

2年目からECに携わり、マネジャーとしてチームを束ねています。パソコンに向かい、クールなイメージがあるため、EC業務に就きたい人は増えているようですが、実は地道な作業。やることは小さなことの積み重ねで泥くさいので、細かいステップを積める人に、お勧めしたい仕事ですね。

㊦に続く/繊研新聞2020年2月25日付より

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