【リアルなアパレル業界のお仕事を学ぼう!】マーチャンダイザー(MD)のお仕事とは?「Fashion y」レポート

  • 2017年03月01日更新
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ファッション・アパレル業界を志望する学生に向けて、実際に業界で活躍されている方々がご自身の『仕事のこと』についてリアルに語るイベント「Fashion y」。

第8回はアパレル・ファッション業界を目指す学生の中でも人気職種の1つ、マーチャンダイザー(MD)のお仕事のリアルについてフォーマルメーカー東京ソワールのMD伊東さんに、日々のお仕事の具体的な中身、MDに求められる能力、やりがいなどを熱く語っていただきました。

将来、MDを目指す学生必見のレポートです。

 

MDの定義とは?

伊東さん:マーチャンダイザーは会社によって職域が異なります。デザインから生産まで関わるケースもあれば、数値管理が中心の場合も。

私が勤めている東京ソワールはレディスのフォーマル専業メーカーです。ブラックフォーマルや結婚式や卒業式などのセレモニーやブライダルシーンで着用されるドレスやジャケットなどを卸し、販売しています。

百貨店やGMSなどを販路に持ち、地域や店舗特性に合わせて商品を企画しています。私は百貨店のカラーフォーマルを担当しています。

 

MDへの道のり

伊東さん:私は4年生大学の経済学部出身で、入社11年目。

GMSの営業担当を3年経験し、その後、ディストリビューター(効率よく商品を店頭に入れていくための在庫管理の仕事)を経験しました。そのあとMDになり、現在6年目。過去にはチェーンストアのカラーフォーマルのMDも務めていました。

販路によって企画内容も大きく変わります。チェーン店の場合、商品の型数は少なく、枚数は多い。価格もシビアです。一方、百貨店の場合は型数が多く、高感度な物が好まれる。価格の違いには、素材の質の差が大きく関係します。

 


 

具体的な仕事内容って?

伊東さん:現在は「17SP」の企画をしています。そもそもSPって何?という方が多いと思うのですが、いわゆるシーズンの表記です。

一般的な洋服だと2017年春夏向け商品のことを17SS(スプリング・サマーの頭文字)と表記するのですが、フォーマルでは「SP(春)」と「SU(夏)」を分けて考えます。ブラックフォーマルの会社では、春物と夏物が売り上げの山場となるため、春と夏を分かれて企画しています。

さて、具体的な仕事の流れですが、まず初めにデザイナーと方向性を話し合います。ブランドにとってコンセプトに沿った「物作り」と「売り場作り」は非常に大切。例えば私が担当しているブランド「ソワールドルチェ」なら、

オーセンティックな中にも洗練させた感覚を持つ、ミッシー・ミセスのためのおしゃれなカラーフォーマル

というコンセプトがあります。もちろん、その時々の時代感は取り入れますが、このコンセプトから読み取れるクラシカルな要素だったり、正統派なイメージをぶらさないようにしています。

次に4つのマーケティングポイントを踏まえ、企画していきます。

1.メガトレンド
社会情勢と顧客の価値観。例えば、東日本大震災などは、買うもの、暮らし方を見つめなおす機会になりました。お客様の心理、ライフスタイルを考えるとは非常に重要。ネットや新聞、会話などでも研究します。

2.ジェネラルトレンド
色なら、「インターカラー」(国際流行色委員会)情報、素材なら「プルミエール・ヴィジョン」(パリで開催される世界的な生地の展示会)の情報など

3.コレクショントレンド
ロンドン、パリ、ミラノなど、皆さんも好きな「コレクションブランド」の情報を研究します。繊研新聞さんのコレクションセミナーなども活用しています。
また、東京ソワールには「マーケティング室」があり、コレクショントレンドとジェネラルトレンドを会社としても分析しており、情報をもらいます。

4.マーケットトレンド
いわゆる市場調査です。自分のお店のニーズ、売り場に行ったときにお客様の反応を聞くことは欠かせません。また、マーケティング会社の情報も活用。

素材が大事です

伊東さん:フォーマルウエアって、安心感も求められるため、デザインで大きな変化をつけることは難しい。

だからこそ、素材が重要になります。生地屋さんの展示会に行くのはもちろん、産地に直接訪問して開発段階からともに行うことも度々あります。台湾・韓国など海外に出張することも多いですね。海外の企業と商売する時は商社さんを経由しており、直接買い付けることはないですね。

方向性と生地が決まってから、デザイナーの出番になります。MDとデザイナー、意見が食い違うこともしばしば…。そんな時は、「お客様目線かどうか」で判断します。デザイン画を複数書いてもらい、その中からピックアップ!そうして、デザインが決定していきます。

 

数値管理から提案

伊東さん:数値的な予算の組み立て、どう販売するかの計画をたてます。見せ筋と売れ筋の違いなど。いわゆる52週MDが大事で、どこで、何を、どれぐらい売るかという計画を立てていきます。

その後、絵型とサンプルのマップを作って、営業や販売員にプレゼンします。ここまで頑張ってきてプレゼンしたのに、いろんなことを言われて辛いことも。でも、そういった時にも「ポイントはお客様目線であるかどうか」を大事にして改善していきます。
その後も、パタンナーや生産管理、技術部などとも連携して物作りをすすめていきます

 

サンプル完成からお披露目

伊東さん:サンプルが上がったら、ついにお披露目です!営業・販売員はもちろん、バイヤーにも披露します。 バイヤーへのプレゼンは、非常にプレッシャーを感じるんですが、最もやりがいを感じる仕事。

うまく行ったときは、その日のお酒がおいしい!

量産商品が出来上がってくると、ディストリビューターやプレスとの相談を進めます。 プレスとは販促面での打ち合わせをします。ネットでのプロモーションなど。費用対効果やブランドの特性に合わせて判断。

販売されたら、何が売れたか、売れないかの分析も大事。ディストリビューターが中心になるが、営業とMDもチェック。予算に対して、結果はどうだったのか分析を行う。 会議での情報交換に加え、実際に販売員の声もきいて次の売り場にも生かしていきます。

 

 

MDに必要なことは?

仕事内容が多岐にわたるので、フットワーク軽く、新しい売り場にも行くことが大事です。
お話してきたように、幅広い職種と関わるのもMDの特徴です。ですので、コミュニケーション能力スケジュール管理の力も求められますね。
何よりも、「売れ筋を出してなんぼ」なので、ヒットを出すための努力を惜しまないこと。ヒットをだすための“商売っ気”も必要です。

 

学生時代にやっておくべきこと

MDをやっていて足りないと思うことは、ものづくりの知識が乏しいこと。作り手の気持ちを分かることってとても大事だと思うので、文化のオープンカレッジでパターンの勉強をしました。相手の気持ちを分かることが大事。パタンナーやデザイナーなどの気持ちを理解できるようにしておくと良いかもしれません。

 

素材の知識についてはどうやって得ているの?

先ほどお話したプルミエールヴィジョンの情報が大事ですね。また日本の場合は、繊維総合見本市のJFWジャパン・クリエーションなどにも行きます。

今後の夢は?

現実は衣料品が厳しいです。でも、洋服は衣食住で大事なこと。それを、できる限り多くの人に伝えたい。
また衣料品の不振は、お客さんのニーズが変わっているのに、商品が変わっていないことにも要因はあると思います。

お客さんがまたファッションは楽しいものだと思ってもらえるように、我々のブランドでも感度の良い商品、新しい提案をしていきたいと思います。

伊東さん、ありがとうございました!!

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