【アパレル職種研究】バイヤーってどんな職業? センスと分析力で時代の先を読む

  • 2017年08月30日更新
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バイヤーとは

バイヤーとは、その名の通り、商品のバイイング(買い付け)を主に担う職種です。売れる(売れそう)な商品をかぎ分け、調達するのが主要な任務となります。アパレル業界の職種としてイメージがしやすく、いつの時代も、男女問わず人気があります。

店舗数や企業によって業務内容は変わりますが、店として決めたシーズンのディレクションをベースに、商品を調達し、月ごと・週ごとの展開計画を立てるだけでなく、時には商品開発からプロモーションまで手掛けることもあります。

また、華やかなイメージがある一方で、全国各地を飛び回りって商談を重ねることもあるなど体力勝負のハードな一面もあります。

それでは、アパレル業界でのバイヤーの業務はどんな内容なのか、見て行きましょう。

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目次

  • アパレル業界でのバイヤーの業務とは ①企業規模などによって大きく違う
  • アパレル業界でのバイヤーの業務とは ②買い付けってどんな感じ?
  • アパレル業界でのバイヤーの業務とは ③トレンド・市場動向を知る
  • バイヤーに求められる能力
  • アパレル業界のバイヤーになるには?
  • 現役バイヤーにインタビュー
  • まとめ

アパレル業界でのバイヤーの業務とは?

①企業規模などによって大きく違う

運営組織や店舗数、仕入れ形式によってバイヤーの働き方は異なります。分かりやすい例が、セントラルバイイングか、個店別のバイイングかの違いでしょう。

全店の商品を一括で仕入れるセントラルバイイング形式の場合は、発注数量をまとめることで仕入れ条件を改善したり、仕入れ原価を抑えて、利益率を上げたりすることが大きな役割です。一度に大量の商品を買い付けるチェーン店などは、セントラルバイイング形式を採用しています。

一方で、個店別の仕入れ枠を設定している店では、立地や特性に応じて、その店の顧客ニーズに合った商品を適時に確保し、欠品させないことが最大の任務になります。地方のセレクトショップ、専門店などは個店別の仕入れ枠を持っている場合が多いですね。

また、1つの企業に両者が存在することもあります。例えば百貨店は、都心店や地方店で店舗特性が違うので、全店対応だけでなく、個店対応も行っています。

②買い付けってどんな感じ?

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商品を買い付ける場として代表的なものが「展示会」でしょう。

アパレル・ファッションの業界で一般的に展示会というと、企業やデザイナーが自分のブランドの商品をバイヤーやメディアに披露し、それを買ってもらう、あるいは市場に知ってもらうことを目的にしています。

バイヤーは、シーズンごとにブランドや企業が行う展示会に足を運び、自店のディレクションに合う商品を探し、商談します。既存の取引先の場合もありますし、新規ブランドを探しに初めてのブランドを訪ねる場合もあります。その場ですぐに商談をまとめることもありますが、新規の場合まずはブランド特性などを把握したのち、別途アポイントを取って商談する場合もあります。

最盛期には、各ブランドが一斉に展示会を行うため、1日にかなりの数の展示会を周ることも。また、複数のブランドが同一会場で展示会を行う「合同展」に行く場合も、1日に多くの商談を重ねるため、体力も必要になります。

③トレンド・市場動向を知る

競合が激化する市場の中で、バイヤーには「客が何を求めているのか」「どんな購買動向をしているのか」を常に把握し、他店との差別化策を練ることが求められます。

自店の客の消費動向をつかみ、売れ筋商品や動きの悪い商品を把握して、販売計画や仕入れ活動に生かしていくことはもちろん、他店の動向を含め、商圏をリサーチすることもバイヤーの仕事の一部です。

また、次シーズンに売れる商品を予測するための情報収集も重要なミッション。店展示会を周り、情報交換するだけでなく、街に出てトレンドリサーチすることも。さらに、優秀なバイヤーになると海外のコレクションを視察に行ったり、欧州の展示会に行くこともあります。

アパレル業界でバイヤーに求められる能力とは

バイヤーが仕入れを行う前提として「商品を科学する力」が必要と言われます。

もちろん、バイヤーとしてファッショントレンドや人が求めているものをいち早く察知する感性(いわゆるセンス)は必須能力なのですが、実際にセンスだけに頼っていてはアパレル業界のバイヤーは務まりません。

消費動向を観察・分析し、次に売れそうだと考える商品を理由とともに選定し、仮設として立て、結果を検証する。そうして科学的にバイイングを行うための分析力がカギとなってきます。

加えて、どんなに小さくても顧客の購買動向を見落とさず、消費者の心理を洞察するための好奇心と行動力。目標を達成するための強い精神力や責任感、忍耐力も必要です。

アパレル業界でバイヤーになるには?

アパレル業界では、新卒でいきなりバイヤーになることは、ほぼありえません。なぜならば、必ず店頭での勤務経験が必要になるからです。

店舗勤務の間に、接客だけではなく、店舗の流れを理解し、売り場作り、品揃えの構成を理解すること。それがバイヤーを目指す上での一歩目となります。

その後、アパレル業界の流通の仕組みやマーケティングの知識、ファッションの知識を深めていきましょう。企業によって様々ですが、販売のキャリアを積めばバイヤーへの登用のチャンスがあるはずです。志望企業のキャリアアップ制度や、バイヤーになるための筋道を確認しておきましょう。

 

現役バイヤーにインタビュー/阪急阪神百貨店 阪急メンズ紳士服商品統括部

大切なのは買い付けまでのプロセス

阪急メンズ紳士服商品統括部 紳士雑貨商品部/紳士靴・ベルト担当バイヤー/芝崎優輔さん 入社10年目

芝崎さんの毎日は多くのTODOリストの中から優先順位を考え、スケジュールを立て、ピックアップした仕事を進めていきます。ミッションは大阪、東京、博多の各店舗の紳士靴とベルト売場の品揃え計画とバイイング業務。出張やテレビ会議で各店舗の担当者とコンタクトを密に取ります。また、店に出てお客様の声を、直接集めることも重要な仕事です。

買い付けをメインとしますが、一番大切にしているのは、買い付けまでのプロセス。お客様のライフスタイル、世の中の状況、その他様々なことを想定して、次のシーズンに流行する商品を予想しています。それらの情報を携え、全世界のバイヤーが集まるイタリアでのメンズファッションコレクション「ピッティ・ウォモ」から始まり、その後も国内外の展示会に赴き、発注・新規取引先開拓・情報収集を行っています。

一番のやりがいは「海外のメーカの方々と企画した商品が店頭に並び、実際にお客様が買ってくださること」と芝崎さんは話す。

会社の雰囲気は、自分が「こんなことをしてみたい」と提案したことに対して、「やってみなさい」とチャレンジさせてくれる風土があるといいます。それが芝崎さんの背中を押します。「今後は仕事の幅を広げるためにも、新しいカテゴリーや売場のマネージャーも経験したい。そして最終的には今までにない“ファッション”の新たなる価値を生み出し、世の中の人々の“衣”の暮らしをより豊かなものにしていきたい」と意気込みます。

【一日の仕事スケジュール】

  • 08:30 通勤時は、男性の足元が気になる 

  • 09:30 出勤、メールチェックや郵便物の確認、ToDoリストの作成

  • 10:00 会議の資料作成、イベント立ち上がりの日は売り場へ

  • 12:30 同僚と情報交換しながら昼食

  • 13:30 取引先との商談や展示会、社内での会議や打ち合わせ

  • 19:00 ToDoリストの確認、退社 

  • 20:00 帰宅。次の日に履く靴の手入れは欠かせない

<プロフィール>

趣味は料理。平日の夜はなかなか時間が取れないので、休日はお昼過ぎからキッチンに立つのが楽しみ。2007年4月入社。出身学部は商学部流通学科。兵庫県出身。

まとめ

今回はアパレル業界におけるバイヤーの業務内容や求められるスキルを紹介しました。ファッションセンスに加え、論理的思考・分析力、ハードなスケジュールに耐えられる体力などが求められるバイヤー。その分「ファッションが大好き」という人にとっては、やりがいも大きいでしょう。世界中のコレクションを見ることも夢ではありませんし、世に出ていないアパレルブランドを発掘して広める・育てるという役割もあります。何より、物を通して人々に新しい感動を与えられる職業です。大学や専門学校にはバイヤーになるためのスキルを身に着けられる学科・コースなどもあるので、早くからアパレル業界のバイヤーを目指す人はそうした学校も検討しましょう。

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