【繊研新聞より】アダストリア 「従業員が満足できる」単一健保設立に動く

  • 2021年02月05日更新
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アダストリアは、従業員とその家族の健康増進・疾病予防拡充による「健康重視」の風土醸成を目的に、単一健康保険組合設立に動いている。福田三千男会長兼社長は、「アパレル業界が人材不足という課題を抱えるなか、働き方改革にも沿う労働環境を向上していかなければいけない」強い思いのもと、その一環となる健康保険の充実が必要としている。

現在、同社が加盟するのは「東京ニットファッション健康保険組合」(宮入正英理事長、KF健保)で、上場企業を含め東京の製造卸や全国展開のアパレル、小売業が加盟。アダストリアは現在のKF健保の事業内容に課題が多く、サービスが合わなくなっているとし、脱退を申し入れている。脱退に動く理由として、アダストリアは女性従業員の比率が圧倒的に高く扶養率は低い、非正規社員比率が高い、年間医療費が低い、全国に在住、障がい者雇用者数が多いなどの特性をあげ、「従業員が満足できるものではない」点が大きいという。

特に、KF健保の契約検診機関(638カ所)の所在地が、地方や郊外SCのショップが多いアダストリアにとって利用しづらいほか、雇用する障がい者が利用可能なサービスが少ない、各種付加給付金の内容が薄いなどの点を指摘する。

そのため、17年4月からKF健保に脱退の申し入れを行っているが、これまで3回否決されている。その間、総会や理事会での説明機会や時代に合ったサービスへの改善がなく、不透明な組合運営に疑念があるという。KF健保の改善が見られず、話し合いもままならない状況に、「再度、脱退の手続きを督促するとともに、手続きを講じられない場合は訴訟の準備をしている」という。

KF健保は取材に応じていない。

福田会長兼社長

(繊研plus21年1月29日掲載分より)

単一健保とは?

健康保険は医療保険制度の一つで、医療費の自己負担を3割に抑えて残りを健康保険料で賄う。健康保険は大きく三つあり、会社員や公務員が加入する健康保険組合は企業単独の単一健保と、複数の企業による総合健康保険組合に大別される。

健康保険組合連合会は、単一健保の利点に保険料率を自主的に設定できたり、労働実態に合わせた保険事業が可能になることを挙げる。事業主や従業員の声を反映できるため満足度の高い福利厚生が整い、結果、企業や業界のイメージ向上にもなるとする。

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