【アパレル職種研究】 縁の下の力持ち「生産管理」 モノの流れを司るマネージャー

  • 2017年08月05日更新
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みなさんは「生産管理」というお仕事を聞いたことがありますか?商品の発注から納入を担う、アパレル業界で非常に重要な職種です。今日はアパレル業界の縁の下の力持ちと言える「生産管理」のお仕事について紹介します。

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もくじ

  • アパレル業界の生産管理とは?
  • アパレルメーカーの生産管理担当者の主な業務
  • エイ・ネットで活躍中!生産管理の先輩インタビュー
  • アパレル業界の生産管理における環境の変化
  • 生産管理に向いているタイプとは?

アパレル業界の生産管理とは?

生産管理という職種は、アパレル業界の中では比較的地味な業務が多く、目立ちにくいお仕事かもしれません。しかし、販売計画を支えるとても重要な職種であり、なくてはならないお仕事です。

生産管理のお仕事は、文字通り「生産」を「管理」すること。自社工場や提携工場への商品の発注から納入までの一連の業務を全て行います。

また、サンプルの確認や納入前の伝票の確認、商品ラベル(印字)の確認など細やかな作業や商品違いなどのトラブルを解決するのも、生産管理の大切な業務です。

生産管理の担当者は、自社が作りたい商品のために、技術や納期、単価など様々な面を考慮して理想的な工場を選び、縫製仕様書を作成して、どれだけの量を何日までに納品してもらうかを交渉していきます。

「計画」・・何を、どこで、どれだけ生産するか

「交渉」・・いくらで、いつまでに

「準備」・・主資材(生地、ニットの場合は糸)と副資材(裏地、芯地、ボタン、ファスナーなど)の投入

「指示」・・生地の上がる日と数量の指示、縫製仕様書に基づく裁断・縫製の指示

「チェック」・・途中の進捗状況のチェック、完成品のチェック

の手順で業務を行っています。

アパレルメーカーの生産管理担当者の主な業務

生産管理は、アパレルメーカーやOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーで活躍しています。また、商社がその役割を担う場合もあり、メーカーや商社以外では、生産管理の業務に特化した企業などもあります。

また、メーカー側での生産管理と、工場側での生産管理の業務が存在し、

  • メーカー側:外注工場管理や素材調達管理を中心とする業務
  • 工場側:工程管理、技術管理、設備管理などの業務

同じ職種でも業務内容は少し違い、工場側の生産管理の業務は、専門性が高く、扱う商品や工場の特性により大きく異なります。

今回はメーカー側の生産管理の業務について見ていきましょう。

生産管理の仕事は、メーカーの仕事の流れで言うと、

デザイナー

MD

生産

営業・ファッションアドバイザー(販売員)

と言った流れの中にあります。しかし、数量・原価の管理や品質管理と言った部分でのMDとの綿密な連携が不可欠であり、商品の納期管理の部分では営業や販売員との連携も出てきます。

●外注工場の選定

商品構成に基づいて、商品タイプ別・品番別に生産する工場を選定します。工場の技術力や生産能力、スケジュールや工賃など様々な条件を考慮し工場を選んでいく必要があります。外注工場の情報を多く知り、工場側とコミュニケーションを取っておくことが大切です。

●数量管理

品番別・色別・サイズ別の生産数量を決定します。MD(マーチャンダイザー)などと構成した生産計画に基づき、最適な数量で生産数量を算出します。

●素材調達

商品構成に基づいて、アイテム・品番ごとに使用する生地を選択し、テキスタイル企業などから生地を調達します。用尺(一つの商品を作るのに必要な生地などの必要量)を考慮し、数量に過不足のないよう発注します。

●副資材調達

アイテム・品番ごとに使用する副資材を選択し、副資材企業から副資材を調達します。素材同様に、数量をしっかり計算し、数量に過不足のないよう発注する必要があります。

●原価管理

製品ごとの生地代や工賃などを算出し、原価を管理します。工場での工賃、素材・副資材の単価計算など、適性な価格で製品を作るためにとても重要な場面であり、この業務が不十分であれば、自社の損益に直結してしまいかねません。工場との工賃交渉も大事な仕事の一つです。

●納期管理

各製品をいつまでに自社に納めるか、納期を計画・管理します。商品を適正なタイミングでショップの店頭に届けるため、製品の進捗確認などをこまめに行います。

●品質管理

各製品の品質(クオリティー)を管理し、品質を安定させることはもちろん、向上するように管理していきます。

●外注工場管理

生産途中の進捗状況をチェックすると同時に、仕上がった時点で完成品の品質等をチェックします。品質・納期など様々な部分に影響してくるところなので、細やかな情報共有が必要です。

エイ・ネットで活躍中!生産管理の先輩インタビュー

―なんでも話せる人間関係が服作りを支えていると実感―

株式会社エイ・ネット mercibeaucoup, 生産 佐藤一輝さん 入社6年目

大学では経営を専攻。服が好きでこの業界へ入った佐藤さんだが、当時専門的な知識はゼロだったといいます。生地やボタンなど、服のパーツごとに多数の人が関わっていると知ったのは、現職に就いてからだとか。

仕事内容は、商品の納期、品質、原価の管理。多くの取引先とやり取りし、服を完成まで導く仕事に「やりがいを感じます」と笑顔。ひとつのパーツの遅れが全体の納期遅れにつながるため、トラブルはつきものです。

「大切なのは、とにかく取引先の方と話すこと。こまめに電話して状況を確認します。世間話も多いですよ(笑)。でも話しやすい関係があってこそ、うまくいくと実感しています」。

今後は「もっと社外に足を運びたい」と佐藤さん。「展示会などで得た知識を商品企画に提供し、服作りに活かせる生産担当になりたいです」。

【Profile】

大学を卒業後、2012年にエイ・ネット入社。「TSUMORI CHISATO」立川店での販売研修を経て、2012年6月「Plantation」生産に。2012年12月より「mercibeaucoup,」へ異動、現在まで布帛製品と小物の生産を担当する。

会社名 株式会社エイ・ネット

事業内容 婦人服、紳士服、および雑貨等の企画、仕入れ、販売

URL: http://www.a-net.com/

アパレル業界の生産管理における環境の変化

近年の日本のアパレル業界では、商品の生産を海外の工場に委託することがとても増えています。元々は、直営の縫製工場を所有するメーカー多く、工場とのやり取りと言ってもあくまで社内でのやり取りが中心でしたが、海外生産が主流となってきた90年代以降は、直営の工場を手放す企業が増えたのです。

現在では、ニット製品に関しては90%以上が海外生産に頼っており、アパレル業界の生産管理担当者は、中国などの東南アジアを中心とした海外の工場とのやり取りが多くなっています。そのため、海外市場の動向を常に念頭にき、グローバルな目線を持った業務がカギとなってきます。またそれに加え、SPA企業などの増加も含め、生産管理の役割が増えているため、社外との直接的なやりとりが多い職種なので、コミュニケーション能力や柔軟な対応、人から信頼されることが求められます。

生産管理に向いているタイプとは?

上記に述べたとおり、今日の生産管理の業務にはグローバルな視点が必要です。アパレル業界では近年海外生産が増え、中国などのアジア圏とのやり取りも増えています。そこで中国語が話せるスキルを求める企業も増えています。

また、差配する数量や金額の大きさゆえ、ここでの問題は、自社の業績に直結してきます。そのため、責任感はもちろん、商品の動きをマネージメントする力や、社外の担当者との細やかで綿密なやり取りが遂行できるコミュニケーション能力が必要となってきます。

社内外を問わず、人とのつながりの多い職種と言えるので、感性だけでなく、柔軟性を持った人が向いていると言えます。また、生産管理のお仕事は、常に先を見据え、生産計画に漏れのない様に計画の段階から商品が納入されるまでを日々調整を行っていくマネージメント力が必要となります。慎重かつ柔軟に物事を進められる人が向いていると言えます。

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