【産地探訪】身近な繊維の産地を知っておこう!

  • 2018年04月27日更新
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「産地」というと何を思い浮かべますか?お米や野菜など農作物の産地をイメージするかもしれませんが、繊維の産地もたくさんあるんです!身近な繊維の産地を知っておこう!

繊維・ファッション業界にも産地という言葉があり、テキスタイルや製品を作っている企業が集積している場所のことを指します。もちろん日本で販売される繊維製品のほとんどは海外製ですが、タオル産地の今治や泉州、デニム産地の備後などまだまだ数多くの産地があり、日本ならではの高品質な製品作りに取り組んでいます。

海外ブランドに日本の生地が!

例えばテキスタイルを作るためにも、布を織る人と、色を染める企業が別々だったりします。このように生地や製品を作るためには様々な工程があり、各工程間の距離的な問題や、生地、糸をまとめて染めることができたりすることなどを考えると、ひとつの場所に多くの中小企業が集まった方が生産効率の上で都合が良く、各地に産地が生まれました。

日本のテキスタイルは高品質なものづくりで知られており、欧米の有力メゾンや有名アウトドアブランドなどに生地を輸出している企業も少なくありません。

また、現在残っている産地は、江戸時代から綿花がよく採れた場所だったり、絹織物を作っていた場所だったりと、その地域の歴史とも密接に結びついています。例えば福井県では奈良時代から絹糸を使った繊維製品を生産していて、その技術を使ってシルクと同じ長繊維である合成繊維の織物が作られる産地が生まれました。

産地発のブランドも!

日本には、織物を作るテキスタイル産地のほかにも、糸を仕入れて、セーターを編む企業が多いニット産地や、生地を仕入れて縫製する縫製産地などがあります。例えば岡山県倉敷市の児島地区は、学生服、ワーキングウェア、ジーンズの縫製産地です。もともと学生服を生産していた企業がジーンズ生産に乗り出した歴史があります。

ジーンズは着古した風合いを出すダメージ加工や、生地を柔らかくしてはきやすくする洗い加工を施すことが多いので、そうした加工を担う業者もこの産地に集まりました。

縫製工場やニッターから出発して、産地に本社を置きながら自ら企画、販売まで行うアパレルやSPAへと変化していった企業も出てきています。ものづくりに強みを持つそうした企業は、産地ならではの生地品質の良さなどで高い評価を得ています。

最近では、ものづくりに携わることに魅力を感じ、そうした機屋やニッターに就職する若い人も少なくありません。あなたも身近にある産地を訪ねてみませんか?

産地の仕事のここが魅力!

カジグループ(北陸産地)/チャレンジする社風で新たな製品を

合繊テキスタイルで有名な北陸・石川県で、合繊糸加工、織布、編み立てなどを手掛けるカジグループ。「衣料」「メディカル」「環境」をテーマに多角化を進め、人工血管の開発からアパレル製品ブランド、ウェアラブル関連、炭素繊維複合材など新規事業育成に注力している。

昨年からトラベルグッズ「TO&FRO」(トゥー&フロー)グループに所属する村松加梨さんは、地元金沢出身で14年に入社。当初人工血管の開発に携わっていたが、「社長との距離が近く、若手でもやりたいことにチャレンジさせてくれる雰囲気」の中で新しく製品事業の仕事も任されるようになった。

「チャレンジできる雰囲気がある」という村松さん。のびのびとした産地の空気の中で新しい取り組みに挑んでいる

現在は商品開発や生地の発注から羽田空港に構える直営店の管理、ECサイトの立ち上げ準備やHP、SNSの商品更新などを手掛けている。「雑貨のデザイナーさんや縫製工場さんなど色々な人と仕事をする機会が増えました。コミュニケーションをしっかりとるために、じっくりと相手の話を聞き、また、伝えたいことを丁寧に話すことが大切ですね」と村松さん。商品が形になり、お客さんにこだわりが伝わったと感じる時が一番嬉しいという。

「産地は時間がゆっくり流れているので、気持ちに余裕を持って働けます。ものづくりの現場が近い点もいいですね」とも。これまで培ったヘルスケア分野の経験を生かし、「着圧ソックスなどメディカルと融合したトラベルグッズの開発も取り組んでみたいですね」と目を輝かせた。

旅のための実用的、機能的な商品が特徴の「TO&FRO」

産地情報

北陸3県(石川、福井、富山)をまとめて北陸産地と呼ばれる。古くから絹織物が盛んで、昭和に入ってからは日本の化学繊維・合成繊維産業の発達とともに、レーヨン、ナイロン、ポリエステルなどを得意とする産地として発展した。糸加工、織物、編物、染色加工などあらゆる業種が集積し、スポーツ・アウトドア用の織物、婦人服地、産業資材など用途も幅広い。

【会社名】カジグループ

【事業内容】合繊糸加工、織布、編み立てなど

【URL】http://www.kajigroup.co.jp/

自社でナイロンジャケットなどに使う高密度織物を生産。身近な生産現場は商品開発にとって大きなメリットだ

カジグループについてのもっと詳しい情報はこちら!

>>カジナイロン株式会社

 

米富繊維(山形ニット産地)/ファクトリーブランドを軸に若い世代に活躍の場を提供

米富繊維はローゲージニットに特化した工場で「長年に渡り自社で開発してきた編地のアーカイブは大きな財産」と大江健社長。1952年創業、OEM(相手先ブランドによる生産)、自社ブランドの事業でニット製品を企画・生産・販売する。自動編機は41台。そのうち4割強がローゲージ用。主流のハイゲージ編機がないのは珍しい。「この分野だけは他社に負けないという商品開発・技術力が取り組み先から求められる理由」だとみている。

従業員は57人。かつて物作りの現場は地元山形県出身者だけでしたが、ここ数年、県外から就職する若い世代が増えている。編み立てや縫製のオペレーターは地元高校卒業の女性が大半を占める。県外入社の若手は営業やパタンナー、商品開発などを担当する8人。今年4月にも県外から2人入社する。これは8年前に自社の編地を強みとしたファクトリーブランド「コーヘン」を立ち上げた効果が大きい。最近の学生は価値観も変わっており、企業選びもかつてのような「都心、大手、有名」だけではなくなりつつある。

多彩な異素材や太さの違う糸を組み合わせ、新たな編地を生み出すベテラン職人

コーヘンは海外へも販売先が広がっており、メンズウェアや雑貨のカテゴリーまでチャレンジしている。そのため、従業員が活躍できる場も多様になってきた。「今後も産地企業だからこそできる新たなブランド開発が可能だろう。現場で身につけた技術を生かし、いろいろなことに挑戦する人材を求めている」と若い世代に期待を寄せる。

新たなファクトリーの形に挑む大江健社長

産地情報

山形県のニット産地は寒河江市と東村山郡山辺町が中心となる。各企業が自社の強みを生かした事業によってファッション業界で個性を発揮する。米富繊維は1952年に山形県南東部山辺エリアで創業。交編の技術を駆使し布帛のようなテキスタイルとしてニットツイードを開発。2010年には自社ブランドをスタートし、レディス、雑貨、メンズと広がっている。

【会社名】米富繊維株式会社

【事業内容】ニット製品の企画・製造・販売

【URL】http://yonetomi.co.jp

自社の強みを生かした編地が特徴の自社ブランド「コーヘン」

米富繊維についてのもっと詳しい情報はこちら!

>>米富繊維株式会社

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