【アパレル業界・基礎講座】小売り② 改革、大型提携に踏み込む「GMS」を知ろう!

  • 2018年08月01日更新
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今回は、前回の「百貨店」に続く小売り編第二弾として、「GMS」をお送りします。

百貨店は中~高級な商品を売る店なのに対して、GMSは日常に使う商品を買う場所となっています。いずれも「昭和」の時代に隆盛を極めましたが、近年、売り上げ規模は縮小の一途をたどっています。

それぞれの業種としての特徴と、両者を取り巻く環境の変化について、見ていきましょう。

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Q. GMS(総合小売業)大手のユニーがドン・キホーテと組んだ改装を進めていますが。

A. 伊藤忠商事がかかわったユニー・ファミリーマートホールディングスへの経営統合は、コンビニエンスストア事業の成長性を高めるものですが、ユニーのGMS事業をどうするかも課題でした。店舗閉鎖を進めていますが、さらに〝総合ディスカウントストア〟として業績を伸ばしているドンキグループと資本提携し、GMS事業にてこ入れすることにしたものです。
具体的には6店をユニーとドンキのダブルネームの店に改装しています。食料品部門はユニー、「衣・住」の非食料品部門はドンキを組み合わせる形ですが、全体としての印象はドンキのスタイルになっています。検証しながら今後を検討することになっていますが、立ち上がりが順調なことからユニーの店舗の過半にあたる100店規模で切り替えることも示されています。

アピタからメガドン・キホーテユニーに転換し生活関連などが伸びている(名古屋市の東海通店)

Q. セブン&アイ・ホールディングスはイズミと業務提携しました。

A. セブン&アイグループのイトーヨーカ堂のGMSは店舗閉鎖を続けており、中国、四国、九州を地盤とするイズミと出店地域が重ならなくなっていました。地域的に競合しないことを前提に、両社が組みスケールメリットを発揮することを見込んだものです。売り上げ規模は、ヨーカ堂がGMSで2位、イズミが4位です。合わせることで食料品分野などでの存在感は高まります。SC事業でも双方のグループ専門店を導入しあうことなどが想定されます。

2社の出店地域が分かれていることが業務提携のきっかけですが、成果を出すには今後、資本提携にまで踏み込む必要があるかもしれません。

Q.こうした提携の背景は何ですか?

A. GMSが消費者の支持が得にくくなっており、改革が求められているからです。とりわけ、「衣・住」の分野は専門店に売り上げを奪われ続けてきました。非食料品部門への対策は続けられてきましたが、競争力を高めるところまでには至っていません。さらにその間、ユニクロ、しまむら、ニトリ、ダイソーなどの百円均一といった競合する専門店チェーンは巨大になりました。

GMSは量販店とも呼ばれますが、量をまとめて低価格で売る、というストロングポイントも一番ではなくなりました。そのため「衣・住」売り場の圧縮、さらには店舗閉鎖が頻発するようになっていました。積み上がった在庫が経営体制を変えるまでに至ったこともありました。これらにより改革の規模がより根本的になり大きくなったと見ることができます。

最大手のイオングループは20年度までに非食料品分野を製販一体の別会社にする準備をしています。同グループの衣料品分野の売り上げは5000億円規模で国内3位の規模を維持しています。別会社化の方針は巨大化した専門店チェーンを強く意識、それらと競争するために規模の力をもう一度発揮しようというものです。

Q.GMSの衣料品はどうなるのでしょう?

A.GMSの主力である食料品は粗利益率が低く、それに比べて粗利益率の高い衣料品はGMSにとって重要です。食料品売り場で多くの消費者を集め、その際、衣料品も売り込むことで全体としての収益性のバランスを取るという構造は変わりません。

この手法は、顧客に利便性を提供することにもなるのですが、売り場や買い回りしやすく、商品の効能が分かりやすくなければなりません。商品では、例えば30、40代女性が仕事帰りにGMSで食品を買うついでに買えるイージーケアの衣料品を開発する動きがあります。こうした客層はGMSの衣料品売り場での買い物体験がない場合が多いので、売り場で商品の機能を分かりやすい表現で打ち出すようにもしています。

ディスカウンターや同業との提携など、大掛かりな改革を進める一方で、売り場、商品でも地道な変革を積み重ね、存在感を維持しようとしているのです。

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