【アパレル業界・基礎講座】メーカーを知る③ 「量販店向けアパレルメーカー」の役割とは?

  • 2018年06月05日更新
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これまでに服を作る材料である糸や布がどのようにして作られるのか見てきました。今回は業界構造アパレル編として、服をデザイン、生産し、小売りに供給する企業について学びます。

アパレルメーカーには主に百貨店向けの大手総合、個店や中小規模のチェーン店向けの専門店向け、イオンやイトーヨーカ堂などの量販店向けの3種類があります。ただ、流通構造が変わる中、作る商品や売り先は変化しています。

今回はこの中から、「量販店向けアパレルメーカー」についてご紹介します。

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Q 量販店向けアパレルの定義とは?

A イオンやイトーヨーカ堂、ユニーといった量販店を主販路に成長してきたアパレルメーカーのことを言います。クロスプラスや小泉グループ、タキヒヨー、万兵、ヒロタ、サンラリーグループなどが代表的な企業ですね。海外生産にいち早く進出し、量販店価格に対応してきた名古屋・岐阜地区に企業が集中しています。近年は販売力の高さから各社とも専門店チェーンのしまむらへの販売比率が高まる傾向にあります。

こうした企業は、一定の品質の商品を低価格で大量に生産、供給しています。1900円や2900円が多いですが、1000円未満の特価品に対応するケースもあるなど、安さが必須条件の量販店向けの取引に対応できることが強みです。

クロスプラスは17年1月期、約4900万枚の商品を販売しましたが、中国の主力工場で発生した不良品率は1%を下回っており、大量生産でも生産管理を徹底しています。同社以外にも数千万枚単位で生産し、量販店に供給しているメーカーが数社あります。

量販店向けが主力の各社にとって目下の課題は、売り先の多様化です。大手量販店は、衣料品が売れず、売り場の縮小・撤退が相次いでいます。専門店で好調を維持していたしまむらもここにきて業績が伸び悩んでいます。

そこで、従来の客向けとは別にセレクトショップやSPA(製造小売業)向けの社内チームを作って取引を増やそうとする動きも少しずつ増えています。ただ、こうした新規取引先は、量販店メーカーより規模が大きい、商社の繊維部門との競合になるため、開拓することは簡単ではありません。

直営店を出す企業もあります。ヒロタやサンラリーグループは以前から小売りを展開していますし、タキヒヨーも3月上旬にセレクトショップ「メランジトップ」の1号店を名古屋にオープンしました。

それ自体で収益を生むことも各社の狙いですが、自社で小売りを営むことで、小売業がどんな商品を求めているのかリアルに知ることができ、卸の商売に生かせるメリットもあります。

セレクトショップを開拓するため、東京で定期的に総合展を開いている(クロスプラス)

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