アパレル業界の「川上」を知ろう!服作りのスタート地点

  • 2017年11月07日更新
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服は多くの加工段階を経て最終製品となり、小売店頭やネット上で販売されます。今回は、図の流れに沿って、服がどうやって作られるのかを見ていきます。 

服には皮革原料で作られるものもありますが、繊維を材料に作られるものに絞って説明します。アパレルは布(織物)を縫って作る布帛製品と、糸を編んで作るニット製品に分かれます。

布帛製品とニット製品が原材料から糸、織物、編み地となり、染色などの加工を経て、縫製あるいは編み立て工場を経由し、最終消費者への販売を担うアパレルや小売りに届けられます。下記の図は、この流れを簡単に表わしたものです。

原料から最終製品(完成した洋服)までの多段階のプロセスは川の流れにたとえられる

原料から最終製品(完成した洋服)まで多段階のプロセスは川の流れにたとえて表現され、原料が織物、あるいはニットの編み地になるまでを「川上」、商社など製品の生産を手助けする企業と縫製工場、ニット工場からなる部分を「川中」、消費者に最終製品である服を売る様々な小売りの段階を「川下」と呼びます。

関連記事:【アパレル業界の基礎知識】 業界構造は川の流れで覚えよう!

そんな川の流れのスタート地点とも言える「川上」の部分に属している分野のそれぞれの役割を、順番に見ていきましょう!

紡績と合繊

紡績は原料のわたを引き伸ばして、糸を作る工程を担う(クラボウの丸亀工場)

川上では服の元になる糸と織物(テキスタイル)を作ります。その原料には天然繊維と化学繊維があります。天然繊維である綿や羊毛を使って糸を作るのが「紡績」です。他に麻や絹、カシミヤなども原料として使います。

一方、石油やパルプなどを原料に繊維を人工的に作るのが「合繊メーカー」です。ここで作られる「化学繊維」はもともと天然繊維の代替として開発されたものが多く、主なものには「3大合繊」と呼ばれるポリエステル、ナイロン、アクリルがあります。合繊=合成繊維はいずれも石油由来の原料を使い、化学変化で繊維の元になる物質を作ります。

機屋

テキスタイルメーカー御幸毛織の検品の様子

紡績や合繊メーカーが作った糸を布にするのが機屋、もしくはテキスタイルメーカーという業種です。糸をタテとヨコで組み合わせて作るのが布、テキスタイルです。綿、毛など原料の種類によって様々な機屋からなる産地が日本や海外にあります。

一方、一本の糸を編んで布状にしたものをニット生地、あるいは編み地と言います。セーターのように糸を編んでそのまま服の形に作るだけでなく、編み上げたニット生地を裁断し、縫って作ることもあるのです。Tシャツを「カットソー(Cut and Sewn)」というのは、裁断(cut)と縫う(sew)という工程を製品の名に当てたものです。

染色・加工場

艶金化学繊維(岐阜県大垣市)の染色加工の様子

織りあがった生地に色を付け、様々な加工を施す工程を整理、染色・加工と呼びます。染色加工場という専門の企業もありますし、大手の紡績や合繊メーカーが自社の設備でこの工程を行う場合もあります。

ここでは生地に色を付けることと説明していますが、糸の段階で染めたり、服の形が出来てから色をつけたり、洗ったりすることもあります。

この工程では、単に布に色を付けるだけではなく、柄をプリントしたり、生地を柔らかくするなど風合いを出し、水を弾く加工や抗菌・防臭などの機能を布に付けるなどの加工も施します。

服地卸

宇仁繊維

服に使う布の色や織り方、柄などを考え、機屋や染色場にそれを発注して様々なテキスタイルを企画・開発し、アパレルメーカーや小売りに卸売りをする業種が、服地卸またはテキスタイルコンバーターです。

アパレルメーカーは服の形をデザインし、パターンを作り、縫製工場やニット工場に生産を依頼します。その際、服のデザインに合う生地を供給するのが服地卸の役割です。

テキスタイルの調達は後述する商社などが行うことも増えていますが、生地の在庫を持ち、シーズン中のトレンドや売れ筋の変化に応じてテキスタイルを供給するという機能を服地卸は担っています。

副資材

大阪プラスチック工業

服を作るには布だけでなく、ボタンやファスナー、縫い糸、裏地や芯地、タグやラベルなど付随するパーツも必要です。

こうした部品を副資材と呼びます。これらを供給する業者には、自社で特定の部品を生産、販売するメーカーと、様々な部品を一括して仕入れ、アパレルや小売りにまとめて供給する卸売りがあります。

「ものづくりを担う、アパレル業界の「川中」の役割とは?」に続く

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