
アイジーエー 「大文字が小文字に、桑名から全国へ」
「アクシーズファム」などを運営するアイジーエーが小売業に進出したのは1973年ですが、現在に至る原点となる1号店は、2002年に出店した「三重・桑名ビブレのアクシーズファム業態1号店」と五十嵐義和会長は話します。この年に社名変更とともに、卸から小売業への転換もあって、「大きな1店だった」と振り返ります。
写真=桑名ビブレの「アクシーズファム」業態1号店。ここから全国展開がスタートする
同社が直営店を始めたのは73年のジーンズショップ「アベニュー」から。しかし、駅前立地だったこともあり、郊外SCの勢いに押され、徐々に閉店を余儀なくされました。
レディスショップ多店舗化は、88年福井・武生(たけふ)の郊外SCから。開店当時の店名は「アベニュークラブ」でしたが、すぐに「アクシーズ」へ改称しました。店ロゴは「AXES」の大文字、店イメージカラーは赤。「店名はAから始まる名前にするよう指示したんです。価格を下げてから2年目に年間売り上げ1億円になりました」。
写真=神奈川の2号店から今も同じ店舗内装デザイナーが携わっている。内装イメージが現在店舗に通じている
ヤングから支持を得て、大文字アクシーズは北陸中心に18店まで拡大しました。しかし客層が低年齢化し、出店を断られるケースが出てきました。SCが団塊世代ジュニアをターゲットにするようになったためです。
02年の桑名ビブレ出店は、「当時話題だったSCで、成功したかった。大人向けにフェミニンを取り入れ、店名英字を小文字に変更、店舗カラーも赤から茶へ、見え方をブティックに変えたんです」。開店初日から売り上げ快調。翌年に2号店を神奈川のイオンモール大和に開設し、一気に全国出店にかじを切りました。その後05年にSPA(製造小売業)化し、全国展開へ、そして海外は上海、パリへと広がっていきます。
創業は1941年。創業地の武生駅前には自社ビルがあり、「グローバルブランドに向かって」の看板を掲げています。(繊研新聞 2016/01/01 日付から)
写真=アクシーズファムららぽーと海老名店
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