【「ハツトキ」デザイナー村田裕樹さんに聞く】産地で働くことが新たな選択肢に

  • 2018年12月21日更新
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ギンガムチェックやストライプの生地など、シャツに多く使われる先染め織物。兵庫県西脇市を中心とした播州産地は、生地を生産する産地として知られているが、最近では製品に取り組む企業も多くあります。産元商社の島田製織が手掛ける「ハツトキ」は、産地発の製品ブランドの先駆け的な存在。デザイナーの村田裕樹さんに産地でデザインをする意義や、産地で働くことについて聞きました。

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――ハツトキについて教えてください。

レディス中心のブランドで、上質な日常着というシーンを想定してディテール、形などを考えています。テキスタイルは産地で作られるものを100%使っており、シルクのような光沢を持つ繊細な生地や、シャンブレーのような色の奥行きがある生地など、深みのある生地を使うことが多いです。少し背伸びしたい時に着る服のように、日常の中の上質な時間を演出できればと思いますね。

2010年からスタートしたハツトキですが、私は2012年から参加しています。最近、ようやくブランドの名前が浸透してきたと思います。縫製やパターンも一回でイメージ通り上がってくるようになるなど、物作りの完成度も上がってきました。

「ハツトキ」デザイナー村田裕樹さん

――デザインする上で産地にいる意義は。

私は素材から醸し出されるイメージからデザインを始めることが多いのですが、テキスタイルにこだわるブランドにとって産地にいることは大きなメリットだと思います。最近では、機屋など工場にも若い人が入ってきて、色々な相談がしやすく感覚的にも近いものがあります。職人さんとフラットに話をしながら物作りを進められる点はありがたいですね。

ファッションは流行の変化が早く、東京にいないといけないのでは、と考える人もいますが、逆にゆっくり動いている部分も多いと思います。ハツトキは「本当に大事なものって何だろう」と、マクロなトレンドを見ようとしています。産地の職人さんと一緒になって、いい物作りをしていければと思います。

――産地の雰囲気は。

西脇市が取り組んでいる若手デザイナーの移住促進や、最終製品の拡大を狙った「西脇ファッション都市構想」が始まって3年以上が過ぎました。若手も増えて、産地にも前向きな雰囲気が出てきています。私自身も東京の専門学校を出て、「これから産地が面白くなるんじゃないか」と思ってやってきた一人。コワーキングスペース「コンセント」での情報交換など、交流も活発になってきました。市役所の方もいろんな取り組みをバックアップしてくれて、新しいものが生まれそうな空気がありますね。

機屋さんにも若い女性が入って頑張っている例が出てきました。「今までは女性が機屋なんて無理」という雰囲気がありましたが、継続的に一生懸命働いている姿を見て、産地の意識も変わりつつあります。美大や専門学校のテキスタイル学科を出た人にとって、産地は新しい選択肢だと思います。

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