ウィーブトシの「CA4LAファクトリー」に注目!直営工場の特徴とは?

  • 2018年10月29日更新
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
S624x416 dsc 0384

帽子専門店「CA4LA」を展開するウィーブトシは、兵庫県西宮市にカシラファクトリーという直営工場を運営しています。

帽子の小売業が自社工場を持つのはまれなケースで、国産にこだわる同社の事業の一環として、2010年11月にスタートしました。今回はこのカシラファクトリーについてご紹介します。

≫≫ウィーブトシの企業情報はこちらから

◆カシラファクトリーとは?

兵庫県西宮市のカシラファクトリーは、帽子専門店、ウィーブトシ(東京)の直営工場です。帽子の小売業が自社工場を持つのはまれなケースで、国産にこだわる同社の事業の一環として、2010年11月にスタートしました。さまざまな設備、職人を抱え、あらゆる種類の帽子を作れる日本でも数少ない工場に進化しており、カシラファクトリーならでの製品開発を一番の特徴としています。

工場はJR神戸線・西宮駅から徒歩5分くらいの好立地。2層で延べ床面積は約3300平方メートル。このほか、木型を収納するコンテナ、出荷場として使っている別棟があり、帽子のデザイン、生産から出荷までワンストップでできるようになっています。

JR西宮駅から徒歩5分の立地にあるカシラファクトリー

◆国内で職人を育てたい

もともとは100年近くの歴史があった千代田帽子の木型、機械、職人を引き継ぐ形で始まりました。開設当時、吉澤利男会長は「国内生産が縮小する中、自分たちで職人を育成したいと考えた。帽子職人として働くことがかっこいいと思われるようにしたい」と話しています。

そのため、工場の内外装は「カシラ」の店舗をデザインしているLINE-INCに依頼、カフェやショップのような空間。従業員は職人16人、デザイナー2人で、平均年齢は35歳です。工場の稼働は午前9時~午後6時。従業員は7時間労働で、残業は多少ある程度だといいます。ほとんどがカシラ向けの生産だが、デザイナーを置いていることで、工場から新しい帽子のデザイン、開発を発信します。

日本の帽子工場はニット専門など、特定アイテムしか作れないところが多いが、カシラファクトリーは帽体(フェルトや天然草の原型を型入れして作る帽子)、布帛、ブレード(テープ状の生地や天然草を頭頂部から渦巻き状に縫い上げる帽子)、ニットとすべてのタイプの帽子を作ることができる。

2015年に金剛商会からニット帽子関連の設備を譲り受けました。ふんわりした風合いにする縮絨(しゅくじゅう)機、染色機などで、縮絨機はアンゴラ用、ウール用と2台あります。新たに無縫製横編み機「ホールガーメント」などの編み機を入れ、染色による排水の中和設備も整えました。

ニットの風合いを良くする縮絨機

◆時代によって変わる木型

古い機械も稼働しています。帽子は完全に自動化しにくく、職人の勘によるところが大きいことが理由です。千代田帽子から引き継いだもので、つばを伸ばすローラー機、帽子の天井部分をなじま天突き機、帽子を蒸気で柔らかくする木箱の蒸し器は年代物。小型の古い丸編み機もあります。ゆっくり編むことで独特の風合いの良さが出せ、バスクベレーなどに使われています。リボン、コサージュなどトリミング(装飾パーツ)、すべりなどの部材も作っています。

年代物のローラー機(右)と天突き機

木箱の蒸し器で帽子を柔らかくする作業

木型のメーカーが激減したことで、昨年から木型を作る職人を養成し、28歳の職人が既に新しい木型を作り始めています。工場に木型は何千個とあるが、「使わないものも多く、時代によって木型も変わる」(菊木政登工場長)といいます。最近、アルファベットのCが浮き彫りになる木型を開発し、新タイプのキャップなどに生かそうと考えています。

木型を製作している現場

職人は60代、70代のベテランから若手まで幅広く、新卒を採用することもあります。人が集まらない、すぐ辞める工場が多い中、「辞める人はほとんどいないし、人材確保に困ったことはない」(菊木工場長)状況です。カシラというブランドの効果に加え、職人として働きやすい、物作りを習得しやすい環境整備が功を奏しています。

また、工場は大阪・梅田、神戸・三宮など繁華街に近いため、自分が作ったものを店頭や街で見えることが、モチベーションを上げる要因になっています。手間のかかる帽子作りもいとわない職人育成につながっており、多品種小ロット生産も特徴で、毎月約30型の新製品を生み出しています。

20代~70代の職人が働く

◆あらゆる要望に応える

さまざまな機械や設備、職人を整えてきたのは、「デザイナーのあらゆる要望に応えたい」と菊木工場長が考えてきたからです。

したがって、ものづくりの特徴は、

①カシラへ来店するきっかけになるような、個性的なものを作る

②他メーカーが作らない、できないものを作る――こと。月産は約3000個で少しずつ増えています。しかし、これだけではカシラの店頭を埋めることは到底できず、さまざまな国内メーカーに生産を依頼しているため、共存共栄するという発想が根底にあります。

他メーカーが手掛けない代表的な商品は、ブレードと布帛、ニットと布帛の合体もの、ヒョウ柄を立体的に表現するニット帽などで、新しい木型も独自開発していることから、独自性の高いものを生み出せています。工場の今後の方向性の基本は変わりませんが、菊木工場長は「ほかにはなくて、おもしろいと思われる帽子を作り続け、『カシラ』のブランド価値を上げる工場にしたい」と話します。

≫≫ウィーブトシの企業情報はこちらから

    関連する記事

    この記事に関連するキーワード

    話題のキーワードキーワード一覧

    月間ランキング月間アクセスランキング

    週間ランキング週間アクセスランキング