ニュースで振り返ろう 2017年の10大トピックス【17年10月~18年3月編】

  • 2018年08月20日更新
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今回は、「17年ファッションニュース早わかり」の下期編です。繊研新聞の17年10月~18年3月の紙面で掲載したニュース記事の見出しから、この時期、ファッション業界で何が起こったのかを見ていきます。ネットを中心にファッションの商売のこれまでの有り様を変える動きが活発化したほか、環境に配慮した物作りに対する消費者の関心の高まりと、それに対応する企業の動きが顕著になっています。

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①ECモール、ファッションで競争激化 

ファッション市場で、ECモールの覇権争いが加速しています。総合モールのアマゾンのジャパン社は、18年春、品川に世界最大規模のファッション専用スタジオを開設しました。サイト上での画像・動画の商品情報を充実させ、日本でのファッションの販売を強化する狙いがあります。国内勢ではスタートトゥデイが自社モールのゾゾタウンでPBの販売を開始しました。ロコンドも一強のゾゾタウンに対抗し、複数社とデータ上での在庫連携をはじめとする業務提携を模索しています。リアルでもストライプインターナショナルがソフトバンクと共同出資でECモールをスタートしています。

プラットフォーマー間の覇権争いが激化している

②グローバルSPA、業績に明暗 

売上高数兆円規模のグローバル大手小売り3社の業績の明暗が分かれました。「ザラ」を擁するインディテックスは、18年1月期が増収増益を果たし、日本円換算の売上高は3兆円を超えました。

日本では「ユニクロ」主力のファーストリテイリングが海外事業の伸びがけん引し、17年8月期で増収増益、18年上期も好業績を維持しています。

大手3社の中で唯一減益を強いられたのがH&Mです。17年11月期は増収こそ果たしたものの、売り上げの伸びが想定を下回り、値引き販売が増え、収益性が低下したことが響きました。

③サステイナビリティー強まる 

サステイナブル(持続可能)という言葉や考え方に真剣に向き合おうとする企業がファッション業界にも増えています。ハイブランドではグッチが18年春夏から、ヴェルサーチも18年末でリアルファーの使用を廃止することを決めました。

エコな素材の使用や環境に負荷を与えない物作り、生産現場の労働環境のモニタリングなどに力を入れる動きはH&Mやインディテックスなど大手小売りにも見られます。日本でもファーストリテイリングがこうした取り組みに力を入れています。ただ、日本のファッション産業全体では、サステイナビリティーへの取り組みは世界的に遅れているとの指摘もあります。

④リアルとネット、融合の動き加速 

ファッションにおけるECの存在感が高まる中、リアル店から商売をスタートした小売業が、リアルならではの魅力を生かしたEC戦略を加速しています。マークスタイラーはスタッフが積極的にスタイリング画像を投稿する仕組みを作り、その画像からの直営ECでの購買を伸ばしました。

パルも直営ECで、販売スタッフの情報発信がどれくらい閲覧され、どれだけの購買に結びついたか、貢献度を評価する仕組みを導入しています。店頭での働きに加え、SNSを経由してネット上でどれだけ影響力があったか可視化し、現場のやりがいを高め、リアルとネット双方の相乗効果を狙っています。

⑤ECでもサイズぴったり 

ECでファッションを購入する際、最大のネックとなるのは画像とサイズスペックの表記だけでは、それが自分に合っているか判然としないという点ですが、ECモールやデジタル系企業は、その課題を克服する手段の開発を本格化しています。

注目を集めたのはゾゾタウンで、自社モールで販売するPBは、サイズ計測スーツ「ゾゾスーツ」を使い、ぴったりサイズの服を届けるとしています。他のECモールも追随しており、アマゾンもデジタルでサイズ計測できる技術を持つ企業を買収しました。他にも人体を3Dスキャンする技術をも持つ企業がファッション業界に自社技術を売り込もうとしています。

サイズを把握することで、ECでもジャストフィットが手に入る時代が来るかもしれない

⑥ユニフォーム市場に新風 

ユニフォーム市場に久々の追い風が吹いています。有効求人倍率が高水準で推移し、売り手市場が続く中、小売店など、制服着用での勤務が前提となる企業が、見栄えのする制服は求人の武器にもなると考え、新しいユニフォーム採用に乗り出しているからです。

専業大手だけでなく、カフェやレストランなど個人経営の店向けにメンズの新興ブランドがユニフォームやエプロンを作る動きもあります。新卒学生の関心を引くだけでなく、既存社員のやる気を高める効果もあるとして、カジュアルブランドのユニフォームをライセンスで販売する企業も現れています。

⑦改革続くGMS、独自の売り場作り 

量販店の衣料品部門は苦戦が続き、GMS(総合小売業)では売り場の圧縮が続いていますが、そんな中、独自の売り場作りで衣料品の売り上げ底上げを図る企業や、異業種と組んで活性化を図る動きも出てきています。

スーパーセンターのベイシアは低価格を強みに顧客のニーズに絞り込んだ衣料品の新業態をスタートしました。ユニーはディスカウントストアのドン・キホーテと提携し、ダブルネーム店舗「メガドン・キホーテ・ユニー」を増やしています。前者は自社のターゲット顧客を徹底的に意識した商品構成、後者は品揃えの多様化で、それぞれ来店促進を図っています。

⑧「買う」から「借りる」へ変化 

ネットの発達やスマートフォンを経由したコミュニケーションが主流になるにつれ、フリマアプリの「メルカリ」の台頭などCtoC(消費者間取引)が増え、同時に、商品を購入せず利用期間などに応じて料金を支払う、サブスクリプションサービスなどがファッションの世界でも広がりを見せています。

サブスクリプションは元々、ネット発の企業に多かったサービスですが、消費者のファッションに対する考え方が変化するに従い、ストライプインターナショナルやレナウンなど小売店やアパレル企業も参入し始めました。また、米国に次いで、日本でも百貨店が同様のサービス導入の動きが見られます。

買うから借りるへ、消費者のファッションとの向き合い方も変わり始めている

⑨問われる初売り、冬セール 

セールのあり方が引き続き問われています。大型小売業にとって年明け最初の商戦である初売りですが、18年は百貨店のこの時期の目玉商品、福袋で、衣料品を中心にしたものが売れたほか、高額品の売れ行きが良かったようです。ただ、主力客が高齢化している状況は続いており、若い世代の獲得が課題です。

その後行われた冬セールは、昨年来、百貨店と商業施設の足並みが揃わない状況が再び起こり、個別の店舗や施設で安定した売れ行きを維持したところもあるものの、全体にはパワー不足となりました。また例年にない寒波で防寒服の需要が高く、セール後の在庫不足から売り逃しも多く起こりました。

⑩大寒波の影響、業界に広がる 

18年は年明けから記録的な寒波に見舞われ、都心でも1月に大雪が降りました。その後も寒波は各地で続き、川上から川下までファッション産業に大きな影響を与えました。

北陸地方では断続的な積雪が続き、130センチの記録的な大雪を記録した福井市をはじめ、雪の影響で物流網が寸断されたほか、テキスタイル工場の臨時休業が相次ぎました。

降雪に見舞われた以外にも、その後も続いた寒波の影響で小売店への来店客が減少し、1月は売上高が減少。加えて、防寒衣料の玉不足で、販売機会ロスも生じるなど、天候の急変がファッションの商売に大きなマイナスをもたらしました。

豪雪はテキスタイル産地の操業にも影響を及ぼした

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