絶対におさえておきたい!2017年の10大ファッションニュース 【上期(17年4月~9月)編】

  • 2018年01月30日更新
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ファッション業界の専門紙「繊研新聞」から、2017年のファッション業界をにぎわせたトピックをおさらいしましょう。

新聞のニュースは、特定の企業や業界にまつわるものが多いですが、毎日継続して読んでいると、個々のニュースが実はつながっていて、「あの時チェックしたあのニュースは、いま起こっているこの現象のきっかけだった」とわかる瞬間があります。

そのことを体感してもらうため、今回は繊研新聞の紙面の報道を時系列で振り返ります。まずは上期編(17年4月から9月)をどうぞ!

【1】ファッション業界で進む「働き方改革」

「制度の整備だけでなく、連携やコミュニケーションを円滑にするオフィス作りも盛んだ」

ファッション業界で、「働き方改革」に前向きに取り組む企業が目立つようになりました。子育て中の女性社員が働きやすい環境や制度の整備や、従業員の意識改革、IT(情報技術)を活用することで業務効率化を進めるなど、無駄な残業を減らし、ワーク・ライフ・バランスを見直そうという動きが一つです。

ファーストリテイリングは六本木から有明の広大な1フロアにユニクロの従業員を移し、コミュニケーションや組織連携が円滑にできるオフィス環境を整えようとしています。ただ、一連の取り組みの一方で、人手不足が深刻な小売り店頭の販売員不足解消につながる改革の打ち手はまだ見えていません。

【2】スポーツとファッション融合

スポーツメーカーの新規出店やファッション企業と組んだ商品やブランドの開発の動きが活発になっています。背景にあるのは、女性消費者を中心にした健康や美容への関心の高まりで、衣服そのものより、それをまとう体そのものを整えようという機運が強くなっています。

こうした消費者の意識の変化はここ数年、日本でも顕著になっており、商業施設でもギアとしての商品を売るのではなく、ファッション性も考えたテナント構成でスポーツブランドのテナント集積を図っています。アパレル企業や小売りもこれを受け、スポーツブランドとの協業を増やしています。

【3】大手アパレル、EC拡大へ本腰

大手アパレル企業が新たな成長販路としてEC拡大に乗り出しています。オンワードホールディングスはリアルとネットの在庫共有やオンラインマーケティングなどの施策により、18年2月期にEC売上高210億円を計画し、中期経営計画の最終年度にあたる19年2月期には360億円に拡大する計画です。

三陽商会も直営サイト強化、EC向け商材拡充を中心とする施策を実行し、20代後半~30代向けのEC発新ブランド開発にも着手し、16年12月期に42億円のEC売上高を19年には倍増の80億円にする計画です。各社の動きの背景にはこれまでの主戦場だった百貨店での売上高低迷があります。

【4】百貨店の構造改革さらに

「不動産事業を収益の柱にしようとする動きも起こっている」(写真=MADSOLAR / Shutterstock.com)

収益体質を立て直すために、百貨店の構造改革が進んでいます。Jフロントリテイリングと高島屋は百貨店事業に偏重していた事業構造を転換する施策として、不動産賃貸事業を強化しており、都市部・好立地の保有不動産の再開発や店舗周辺の自社・外部物件による賃貸面積の拡大に乗り出しています。

昨春、トップ交代のあった三越伊勢丹ホールディングスは、17~19年度の中期計画をスタートしました。これまで新規成長事業として取り組んでいた旅行・飲食・美容は百貨店を補完する事業に位置付けを変更し、百貨店事業で徹底したコスト削減で収益力を高めるとしています。

【5】ネット販売の存在感強まる

ファッション市場におけるECの存在感がさらに高まりを見せています。繊研新聞が推定した16年度のファッション商品のEC市場規模は前年より14.5%拡大し、国内ファッション市場に占めるネット販売比率は8.6%まで高まりました。17年度には10%に到達する公算もあります。

とりわけ成長著しいのはスタートトゥデイで、17年3月期(連結)はゾゾタウンの商品取扱高が2000億円を突破、5000億円超えも現実的な状況です。一方、総合モールのアマゾンもファッションを強化しており、日本でもファッション向けの物流拠点を開設するなどの動きが見られます。

【6】インバウンド景気再び

「勢いを取り戻したインバウンドに向けた提案強化が進む」

インバウンド(訪日外国人)による消費の勢いが再び強まっています。日本を訪れる外国人旅行者の数自体は増加が続いていたのですが、それが落ち着くと、売り上げ面でその恩恵を受けていた百貨店など大型小売店はその後、「爆買い」ブームの終焉(しゅうえん)で、免税売上高が前年割れとなる状況が続いていました。

ところが、17年に入って訪日外国人客数の増加傾向に拍車がかかり、大阪や東京など都市だけでなく、地方でも来日客は増えています。日本政府観光局が発表した訪日外国人客数は7月に過去最多を記録、百貨店協会が出した8月の免税売上高と客数はどちらも最高を記録するなど、再び勢いを取り戻しました。

【7】夏セール、時期の正常化遠く

17年の夏は百貨店やSCなどのセールで新しい動きが起こりました。ファッションビルではルミネが開始時期の正常化を目的に夏の全館セールを前年よりも2週間遅らせ、7月28日~8月6日の実施にしたのです。一方、百貨店でも三越伊勢丹が7月12日からセールを開始しました。

三越伊勢丹は初日の開店時、前年以上の集客で、ルミネも7月単月の全社売り上げは前年実績を下回ったものの、7月1日~8月6日では前年超えになりました。ただ、SC全体では時期の分散化傾向が強まり、実需買いも増える中、セール期に何をどう仕掛けるべきか、改めて問われています。

【8】セレクトが「住」で新規事業

「フリークスストア」を運営するデイトナ・インターナショナルが注文建築・インテリア販売事業に乗り出し、ベイクルーズグループのアクメも「ジャーナルスタンダードファニチャー」の家具を使った住宅リノベーション事業を開始しました。服を主力とするセレクトショップのこの動きには理由があります。

セレクト側としては、ファッションが消費の中心ではなくなる中、自社の運営で培ったモノ選びの「目」を服以外の分野に使うことで新たなビジネスチャンスにつなげる狙いがあります。また、住宅施工業者にとっても、ファッション目線を取り入れることで付加価値を上げ、同業他社と差別化したいようです。

【9】物流コスト増、対策急ピッチ

「配送コスト上昇をそのまま添加せず、効率化で吸収しようとする企業も」

ネット販売の拡大に伴い、ファッションの分野でも、物流のコストアップへの対策は急務となっています。扱う荷物量の増加と現場の労働過密から、大手運送業者は配送料金の値上げを要望するようになり、大手小売業は自社物流効率化や配送以外の部分でのコスト効率化に追われています。

すでにECや通販の戸別配送では一部企業が配送料金を引き上げ、消費者に負担してもらう動きがあります。

一方、倉庫内の物流に関わる作業の効率化と客単価上昇で吸収する考えの企業もあるほか、スタートトゥデイは「ゾゾタウン」の注文商品をロッカーで受け取りが希望できるサービスを開始しました。

【10】問われる実店舗の意義

スマートフォンを使って事前に品揃えや好みをチェックしたうえで買い物をする購買行動がファッション分野でも一般化したことで、リアルで店を運営する意味を考える小売業が増えています。大手のジーユーは実店舗とECのメリットを融合した新しい購買体験ができるデジタルストアをオープンしました。

一方、セレクトショップではネットで検索した商品を実店舗で取り置けるサービスや、クリック&コレクトの商品を店頭で受け取る際、ネット経由の購入客に店頭での接客も行うなど、ネットとリアルのつなぎ目をなくすと同時に、他社とは異なる買い物体験を提供しようとする試みが始まっています。

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