長期化するアパレル、繊維業界の新卒採用。出遅れた学生にはチャンスも

  • 2017年03月01日更新
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「終わらない」「秋も継続」 内定辞退増え長期化


10月1日の内定式で来春入社予定の採用活動を終えた大手企業が多い一方で、ファッションビジネス(FB)業界では「まだ採用が終わっていない」「秋も採用活動を継続する」という企業が増えている。(河邑陽子)

(写真=スプラウト社が運営するFB業界専門の新卒サイト、ブランドキャリアジュニアが9月に初めて開いた合同就職セミナー)

 

FB専門の人材総合企業、MORIパーソネル・クリエイツが9月に行ったアンケートでは、16年春入社予定の販売職の採用を「継続中」15社、「終了」11社、「採用なし」12社だった。経団連加盟企業など大手中心に採用時期が後ろ倒しになった影響で、秋も採用を続ける企業が約4割と例年より増えている。


増える保留者

16年春新卒者採用から、大手は会社説明会など広報活動を大学3年の12月から翌年の3月に、面接など選考活動を大学4年の4月から8月に変更した。従来、学生にとって3月頃までは業界・企業研究の助走期間だったが、今年は絞り込めないまま3月から各種業界の企業説明会に一斉に参加する形となった。

FB業界各社では、就職サイトからの説明会への参加登録数が、解禁直後の3月は13年12月並みだったが、4月以降は減少。累計の参加者は前年度より大幅に減ったという企業が目立つ。他業界を回るのに忙しく、とりあえず登録し、説明会に顔を出す人が減った半面、FB業界志望度の高い学生が集まった。

ただし採用の進ちょく状況は業界内での格差が大きく、例年に比べて内定辞退者と、内定承諾の保留者が多いのも今年の特徴となっている。FB企業は5月の連休前後から内々定を出し始めたが、複数の内々定を得た学生が競合他社に流れた企業では、6、7月に多くの辞退者が発生した。


販売職の採用厳しく

大手との併願者が多いFB企業では、大手が面接を開始した8月に入っても内々定の承諾保留者が目立ち、「10月の内定式当日まで何人来るか読めない」など不安の声があった。実際、内定式に採用予定者の3分の2しか来なかった会社もあった。ここ3、4年は売り手市場で、有力企業の人員削減などが話題になるFB業界より、景気の良い他業界や大手、内勤職を志望する学生が増加。販売職中心に採用の厳しい状況が続いている。

内定辞退や承諾保留者が増えたため、8月の時点で採用活動継続を決め、9月のFB業界合同説明会に急いで申し込んだ会社も多い。今年は9月に都内で二つのFB業界合同説明会が開かれ、延べ30社が参加し、学生も、それぞれ200~300人が来場した。「8月から始まった大手の選考に全て落ち、内定0で改めて就職活動を始めた」「志望業界を見直して間口を広げ、FB企業の説明会に初めて参加した」など男子学生も目立ち、何社も回る人が多かった。内定取得後も就活を続ける学生が増加、「個別説明会への参加登録率は秋の方が春より良かった」(出展者)という声もあった。来年に向け10月以降の合同説明会も検討されている。

現在、継続している企業では短大生や9月中旬に解禁になった高校3年生の採用活動が進行中。併せて個別に大学・短大・専門学校に働きかけたり、ハローワークに求人票を送ったりしているが、「必要な人数を確保するまで、年末か年明けまでかかりそう」と、長期戦に臨んでいる。

(繊研 2015/10/20 日付 19339 号 1 面)

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