データでみるファッション業界~日本の物作り編~

  • 2017年03月01日更新
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日本の誇る物作り企業

先日解説した日本国内に出回っているお洋服のどのくらいが輸入品かを表す指標「衣類の輸入浸透率」。

残念なことに、14年衣類の輸入浸透率は97%台へ突入、国内生産量は10%減という内容だというのを伝えたね。日本で物作りをする企業も減っているのが現状だけど、そんな中で国内の物作りにこだわり、自分たちの物作りを発信する企業や新たに始める企業もあるよ☆

これから何回かに分けて日本の誇る物作り企業を紹介するよ。

今回紹介するのは福岡にある靴製造卸のアサヒコーポレーション(福岡県久留米市)だよ。

 

靴のアサヒコーポレーション

今期国産比率70%へ急拡大

独自技術生かし高機能品拡販

靴製造卸のアサヒコーポレーション(福岡県久留米市)は、本社工場の優位性を生かして国内生産シフトを加速する。メード・イン・ジャパンへの市場ニーズの高まりも追い風に、久留米で生産する独自機能を備えた自社ブランド商品の開発と拡販に注力、円安などで収益が悪化した海外生産の量販品を縮小して「持続的利益体質の企業作り」(佐藤栄一郎社長)を進める。

久留米工場の優位性

国産シフトを加速するのは、円安に加え、アジア地域の生産コスト上昇と品質・納期の不安定化で、品質やコスト、開発・生産リードタイムなど各面で久留米工場の優位性が明確になったため。13年12月期に金額ベースで47%だった国産比率は14年12月期には53%に高まったが、急激な円安進行による海外生産品の採算悪化で約4億円の利益が吹き飛んだ。そのため14年12月期決算では、量販向け販売の縮小で売上高は前期比6・9%減の116億6000万円、営業利益は60・9%減の3億4000万円と落ち込んだ。

売上高より利益重視の経営へ
年度 2013年度 2014年度

2015年度

(予測)
売上高 125億2000万円 116億6000万円 110億円
営業利益 8億7000万円 3億4000万円 7億円
国産比率 47% 53% 70%

 

毎月の随時開発体制

今期(15年12月期)は、当初計画を1年前倒して国産比率を一気に70%まで高める。量販店向けの更なる縮小で売上高は5・7%減の110億円を見込むが、利益率の高い国産自社ブランド商品の拡販で営業利益は倍増の7億円を目指す。今期中に事業構造改革にめどをつけ、来期には減収に歯止めをかけ増収増益体質に転換する考えだ。

競争力の源泉となる商品開発では、春夏、秋冬の年2回の新製品開発を、昨年から毎月の随時開発体制に移行、縫製から加工まで一貫生産機能を持つ久留米工場のスピード、柔軟性を生かして「売り場での反応を見た上で企画修正、生産調整が出来る強み」を最大限生かす。

同工場は国内では希少なバルカナイズ製法を継続、独自のゴム・糊(のり)の配合技術で水に浮くほど軽いゴムや超耐摩耗ゴムなど素材の開発力も強み。国内では同工場しかできないライナーインジェクション製法で「ゴアテックス」を使った高い防水性と透湿性を備えた靴作りが可能。それらを生かした高齢者向けの軽量健康靴「快歩主義」や、かかとが長持ちし雨に強いビジネス紳士靴「通勤快足」、雨に強い婦人靴「トップドライ」などハウスブランドを更に磨き上げていく。

販売面では全国の靴専門店のほか、婦人服専門店など接客販売を得意とする様々な専門店に販路開拓を進めており、今後も同社の靴を扱う「アサヒショップ」(現在約950店)の開拓に力を入れる。後継者難などで営業継続を断念した靴専門店を引き継いだ直営パイロットショップ「サンライズ」(百貨店インショップ含め現在2店)では、小売りノウハウを蓄積して卸先専門店への販売支援にも生かす考えだ。


(繊研新聞2015/04/10日付1面)

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